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2006 年度 実績報告書

プラズモニック・バンドギャップ・レーザーの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17360033
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

岡本 隆之  独立行政法人理化学研究所, 河田ナノフォトニクス研究室, 先任研究員 (40185476)

研究分担者 馮 晶  独立行政法人理化学研究所, 河田ナノフォトニクス研究室, 協力研究員 (30392088)
キーワードプラズモニクス / 表面プラズモン / プラズモニック結晶 / プラズモニック・バンドギャップ / レーザー / 有機EL素子
研究概要

提案しているプラズモニック結晶を用いたレーザー(プラズモニック・バンドギャップ・レーザー)の基本構造は2次元回折格子を刻んだ石英基板上に銀薄膜と利得媒質の薄膜を堆積したものである。表面プラズモンの伝搬にともなう放射損失を小さくするため、昨年度に引き続き、片面が平坦で片面だけに格子を持つ銀薄膜のリフトオフ法を用いた作製法について検討した。さらに、その上に色素を堆積した素子を作成し、その発光特性を測定した。その結果、素子の吸収スペクトルとの間に強い相関があることを見いだした。
吸収損失を減らすために、長距離伝搬型表面プラズモン(LRSP)の利用を提案したが、一般に、LRSPは常に、短距離伝搬型表面プラズモン(SRSP)と同時に存在する。吸収損失を低減するためには、SRSPへの蛍光エネルギー移動を抑制する必要がある。格子の溝を深くすることでSRSPを完全に抑制できることを見いだした。
プラズモニック結晶の場合、金属表面の周期格子による回折の効果により、表面プラズモンと伝搬光との間でエネルギーのやり取りが可能である。表面が平坦な場合、表面プラズモンの波数は伝搬光のそれより常に大きいため、両者が結合することは無い。しかしながら、誘電体薄膜を金属で挟んだMIM(Metal-Insulator-Metal)構造では、表面プラズモンの波数を伝搬光のそれよりも小さくすることが出来る。さらに、両側の金属を薄膜にすることで、表面プラズモンを介して高い透過率で伝搬光の透過が生じる。また、透過する伝搬光の周波数は挟まれた誘電体の膜厚に依存する。この効果を用いた波長選択の可能な上面発光型の有機EL素子を開発した。構造は白色有機EL素子の銀陰極の上に透明な誘電体薄膜と銀薄膜を堆積したものとなっている。この素子により、高純度な赤・緑・青色の発光が得られた。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2007 2006 その他

すべて 雑誌論文 (5件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] プラズモニック結晶における分散と光の振る舞い2007

    • 著者名/発表者名
      岡本隆之
    • 雑誌名

      光アライアンス 18・2

      ページ: 11-15

  • [雑誌論文] New fluorescence correlation spectroscopy(FCS) suitable for the observation of anomalous diffusion in polymer solution : Time and apace dependences of diffusion coefficients2006

    • 著者名/発表者名
      Akiko Masuda
    • 雑誌名

      J.Photochem Photobi,A 183・3

      ページ: 304-308

  • [雑誌論文] プラズモニックバンドギャップレーザー2006

    • 著者名/発表者名
      岡本隆之
    • 雑誌名

      レーザー研究 34・5

      ページ: 358-362

  • [雑誌論文] プラズモニック・バンドギャップ・デバイス2006

    • 著者名/発表者名
      岡本隆之
    • 雑誌名

      化学工業 57・7

      ページ: 502-506

  • [雑誌論文] Color-tunable electroluminescence from white organic light-emitting devices through coupled surface plasmons

    • 著者名/発表者名
      Jing Feng
    • 雑誌名

      Appl.Phys.Lett. (印刷中)

  • [図書] プラズモンナノ材料の設計と応用技術2006

    • 著者名/発表者名
      岡本隆之(分担執筆)
    • 総ページ数
      340
    • 出版者
      シーエムシー出版
    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
  • [図書] ナノオプティクス・ナノフォトニクスのすべてr2006

    • 著者名/発表者名
      岡本隆之(分担執筆)
    • 出版者
      フロンティア出版

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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