研究課題
本年度においては、下記の3つのテーマを共同・分担して行った。1.半導体レーザ励起フェムト秒モード同期固体レーザの作成。まず、モード同期発振器の小型化のためにYbレーザーの高効率化を行った。極めて高い励起密度(220kW/cm2)によりCW動作時に光-光変換効率81%という量子限界に極めて近い高効率動作、及びパルス動作時に光-光変換効率62%という高効率動作に成功した。また、カーボンナノチューブをドープしたポリマーフィルムを用いた可飽和吸収体ミラーを使用したモード同期レーザを開発し、Er/Yb共ドープガラスレーザとしては世界最短である68fsのパルス出力に成功した。2.光コムの位相検出・評価装置の作成と広帯域化。半導体励起Ndドープガラスモード同期レーザによる光コムを作成し、光基準レーザとの周波数ビートを検出した。ファイバ中の非線形光学効果によって光コムを広帯域化して50dB以上のS/N比を実現し、光コムの共振器長を制御することにより光基準に位相同期した。さらに、光コムと周波数可変レーザとの周波数ビートを検出し、制御帯域全域に渡ってフラットなノイズフロアと40dB以上のS/N比を実現し、位相同期を保ちながら光周波数を連続的に可変にする方法の開発を行った。3.周波数可変レーザを用いた干渉計の作成。光周波数計測による干渉計測原理の確認を行うため、ファブリペロ干渉計を構成し、周波数可変半導体レーザの周波数を共振器モードに位相同期した。Rb吸収線に安定化した半導体レーザを光基準として用い、EO変調器によって光周波数コムを発生した。周波数可変半導体レーザの周波数を光周波数コムにより測定し、干渉計の安定度を評価したところ、環境変動の少ない短時間の測定において、約200pm以下の安定度を達成した。
すべて 2006 2005
すべて 雑誌論文 (5件)
OPTICS EXPRESS 14・2
ページ: 644-654
Advanced Solid-State Photonics 2006 Technical Digest (The Optical Society of America, Washington, DC, 2006)
ページ: MB13-1-3
Optics Letters 30・17
ページ: 2323-2325
OPTICS EXPRESS 13・20
ページ: 8025-8031
Conference on Lasers and Electro-Optics/Quantum Electronics and Laser Science and Photonic Applications, Systems and Technologies 2005 (Optical Society of America, Washington, DC, 2005).
ページ: CM3-1-3