研究課題
基盤研究(B)
磁気力顕微鏡(MFM)は広く用いられているが、その空間分解能は汎用機器で数10nm程度であり、将来の磁気ストレージの記録サイズがnmから原子オーダーになることを考えると、高分解能化は至急の課題である。本研究では分解能を理論的限界にまで高めた磁場印加可能なMFMを開発し、テラビット磁気記録媒体等のナノ構造磁性体のナノスピンイメージングに資するために、1)超高感度低ノイズ検出系を有する高分解能・MFMの開発、2)開発するMFMのナノ構造磁性体のナノスピンイメージングへの応用を目的として、以下の結果を得た。1.高真空・非接触原子間力顕微鏡に、探針熱ノイズ低減のための極低温探針冷却機構を加えた低ノイズMFMを開発した。本装置は探針を42Kまで、観察試料を30Kまで冷却することができ、室温までの範囲で試料温度を制御することができる。本装置の特徴である探針冷却機構を用いることで、短時間で安定した低ノイズ測定環境を実現できる。2.MFMの高感度化には、先鋭な探針の先端で高い磁極密度を実現する必要がある。このため、高飽和磁化・高保磁力を有するFePt合金を用いたMFM先鋭探針を開発し、11〜15nm程度の高い空間分解能を実現した。その際、FePt合金の熱処理時にFePt合金がSi探針と合金化して磁気特性が劣化する問題を、Si探針をプラズマ酸化処理して極薄SiO_2膜を形成させることで解決した。さらに、積層型交換スプリング磁石の断面を用いる新規なMFM探針を提案し、計算機シミュレーションにより室温において5nm以下の分解能が得られることを確認した。3.局所ナノ領域での微細磁化状態解析を目的として、高密度磁気記録媒体及び次世代超高密度磁気記録媒体の候補であるFePtナノドットパターン媒体等について、磁場中MFM観察により保磁力マッピングを実現し、磁化反転磁場解析を行い媒体の低ノイズ化の指針を得た。
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