研究課題/領域番号 |
17360037
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
酒井 啓司 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (00215584)
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研究分担者 |
美谷 周二朗 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (10334369)
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キーワード | 液体微粒子 / インクジェット / 光マニピュレーション / 超音波マニピュレーション / 液滴振動 / 光散乱測定 / 高速度撮影 / レイリー不安定性 |
研究概要 |
本研究は微小流体粒トラップ技術を活用し、さらに捕捉粒子の位置・形状・回転などの自由度をレーザー光を用いて制御・観察する全く新しい微小流体マニピュレーション技術を開発し、最近注目を集めているマイクロ領域における液体の物性計測という新規の研究領域を切り拓く上で有効な実験手法を確立することにある。 本年度は液体微粒子を孤立保持し、さらにその位置・形状・回転状態を微細に制御して、その運動状態を観察する「流体粒子マイクロマニピュレーション技術」を開発した。先端部を微細加工したガラス細管に試料液体を挿入し、管を圧電素子で圧迫変形することにより、液体の微小粒を吐出させる。これをストロボを用いた高時間分解能実像撮影を行うことで、時々刻々変化する微小液滴の形状を高精度でモニターする装置を開発した。このとき粒子が示す共鳴振動運動を観察し、そのピーク周波数から表面張力が、ピーク幅から流体の粘性が得られることを確認した。 このスペクトルはまた、申請者らが開発した光ビート分光リプロン光散乱法の光学系を利用しても測定することが確認できた。さらに複数液滴の衝突・融合による大振幅変形を観察することにより、液滴表面への分子吸着、脱離、吸着単分子膜の形成などのダイナミックな分子プロセスを調べる手法を確立した。また液滴が空気中を自由落下する様子を調べ、その粒子径を0.01μm以上の精度で決定することに成功した。さらに超音波を用いた微粒子の空中保持についての検討を行った。
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