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2005 年度 実績報告書

X線光子計数型ピクセル検出器がもたらす先駆的な放射光利用実験

研究課題

研究課題/領域番号 17360040
研究機関(財)高輝度光科学研究センター

研究代表者

鈴木 昌世  (財)高輝度光科学研究センター, ビームライン・技術部門・検出器チーム, 副主席研究員 (80360840)

研究分担者 豊川 秀訓  (財)高輝度光科学研究センター, ビームライン・技術部門・検出器チーム, チームリーダー主幹研究員 (60344397)
坂田 修身  (財)高輝度光科学研究センター, 利用研究促進部門・表面構造チーム, チームリーダー主幹研究員 (40215629)
キーワード放射線検出器 / 半導体検出器 / ピクセル検出器 / 放射光 / X線回折
研究概要

ピクセル検出器技術は、医療から高エネルギー物理に至るまで、X線検出技術に革命を齎しつつある。本研究で言う「ピクセル」は、CCDに対して用いられるそれとは本質的に異なり、各ピクセル自身が既にX線検出器のシステムであり、単一X線光子が計測可能な機能を内部に有する微小機能体である。その優位性は、(1)ノイズが存在しない点、(2)エネルギー弁別能を有する点、(3)高計数能力を有する点である。
研究代書者らは、JASRI-PSI国際研究協力協定に基づき、0.25μmCMOS技術による特定用途向け集積回路を用いて開発されたピラタスII単一モジュール検出器をSPring-8へ導入した。シリコンセンサーは、厚み300μmでSPring-8の標準波長1ÅのX線に対し75%の吸収効率を有する。有感面積は33.54×83.764mm^2で、172μmピッチで195×487=94,965個のピクセル電極が形成されている。読み出しチップ上の各ピクセルは、X線光子がシリコンセンサーに開放する電荷を電荷有感型前置増幅器で電圧に変換し、それとピクセル毎に設定された閾値電圧との大小関係をコンパレーターで比較演算して、カウンター回路に受光したX線光子数を加算するように設計・製作されている。1チップ当り、97×60ピクセル分の回路が搭載されており、8×2=16チップを用いてシリコンセンサーの全有感面積を受ける。
SPring-8に於ける稼動試験としては、BL19LXUでのパルス強磁場下における時分割X線回折実験、BL13XUでのナノオーダー秒の薄膜のダイナミック構造解析法の開発、BL44B2での生体高分子結晶X線回折実験に向けたピクセル検出器の評価、BL46XUでのX線回折による溶接金属凝固組織のその場観察技術の開発を行い、放射光利用実験でのピクセル検出器の優勢性を実証した。平成17年度の成果は、2005年9月5日〜8日にドイツのボン大学で開催された国際ワークショップSemiconductor Pixel Detectors for Particles and Imaging (PIXEL2005)に於いて表題「A single-photon counting pixel detector and its examinations at SPring-8」、2005年10月18日〜19日にスイスのPSIで開催された国際ワークショップWorkshop on Pixel-and Microstrip-Detectors for Synchrotron Radiation (PMD05)に於いて表題「Pixel Detector Experiments at SPring-8」(招待講演)として研究分担者の豊川が口頭発表を行った。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] The PILATUS IM detector2006

    • 著者名/発表者名
      Ch.Broennimann
    • 雑誌名

      Journal of Synchrotron Radiation 13

      ページ: 120-130

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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