研究分担者 |
岡崎 禎子 弘前大学, 理工学部, 助教授 (10003328)
木村 久道 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (00161571)
岸本 哲 (独)物質・材料研究機構, 主任研究員 (10354169)
飯島 高志 (独)産業技術総合研究所, 主任研究員 (90356402)
増本 博 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50209459)
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研究概要 |
本研究では、フェロイクス系アクチュエータ・センサ要素材(形状記憶,磁歪、圧電など)の相変態(機械物理的エネルギー変換)に直接的に関連するナノ〜メゾ〜ミクロ微細組織を連携的に最適化制御し、材料機能特性の向上(高速応答、大変位・高出力)や新機能のための複合化材料プロセスによる工業的なアクチュエータ/センサ素材開発への指針確立を目標としている。本年度は、以下の2つに分類される成果が得られた。 1.急冷結晶制御による金属系(磁歪、形状記憶)アクチュエータ/センサ要素材(ファイバ、薄板)を作製し(弘前大、東北大)、特に、それら高機能化された素材の組織観察、結晶構造、特性を調査した(弘前大)。さらに、重ねた薄帯または細線を放電焼結・接合(SPS)法を用いて、急冷素材の特性を維持したままバルク化する創製プロセスを実証した。具体的には、感温型TiNiCu、TiNiCoやマルチフェロイックス系Fe-Pd磁性形状記憶合金及びFe-Ga等磁歪合金を電磁誘導ノズルレス急冷凝固装置でリボン(厚さ:30〜100μm)にした後、適切な熱処理を行い、[100]に強く配向した微細柱状結晶を形成させ、それを放電焼結法(SPS)により厚さ3mm、長さ40mm程度のバルク化アクチュエータ/センサ材を得た。それら各合金での相変態のDSC、機械的特性をレザー顕微鏡解析装置で評価した。 2.スパッター薄膜および単結晶を用いて、FeX(X=Pd, Pt, Co, Ga等)合金系において、磁性形状記憶効果および磁歪の発現する合金の探索研究(弘前大)をCombinatory合金成分解析(メリーランド大)を併用しながら行った。さらに、強磁性材料(FeCo)と磁歪薄膜(FePd, FeGa)をナノスケール厚さで積層化させたマルチフェロイクス複合機能化アクチュエータ・センサ材料を作成、その性能向上を確認できた。また、圧電+磁歪組み合わせ型積層・複合化させた、環境変化評価可能な表面弾性波(SAW)センサの試作に成功した。
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