• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

配線損傷の高精度予測に立脚した電子デバイス長寿命化のための回路設計指針の新規策定

研究課題

研究課題/領域番号 17360045
研究機関弘前大学

研究代表者

笹川 和彦  弘前大学, 理工学部, 助教授 (50250676)

研究分担者 坂 真澄  東北大学, 大学院工学研究科, 教授 (20158918)
キーワードエレクトロマイグレーション / 半導体集積回路 / 長寿命化 / 微細化 / 高密度実装 / 電子パッケージ / 金属薄膜配線 / 数値シミュレーション
研究概要

平成18年度は次に示す3項目の研究を実施し,保護膜の材料・厚さの観点から指針の策定を図った。
1.配線材料と保護膜材料・厚さの組み合わせ配線の損傷予測
配線材料としてのAlとTiNにおけるエレクトロマイグレーション(EM)損傷の検討を行ったところ,TiNの配線はAl配線に対して極めてEM損傷が生じにくいことがわかった。そこで本項目では,TiN層を下層に有するAl積層配線を対象とし,かつビア接続を模擬した構造の配線を扱うこととした。さらに,配線の表面をTEOSとポリイミドの保護膜材料の各々で被覆した配線構造を想定した。既に得られているEM特性定数を用いて,EM損傷に対するしきい電流密度の数値シミュレーション予測を実施することにより,Al/TiN積層配線に対する保護膜材料の組み合わせ毎に,寿命と密接に関連したしきい電流密度の評価を行った。一方,想定した配線構造の試験片を作製し,加速通電実験を実施した。実験後の観察より,通電によるEM損傷を確認することができた。現在,導入した損傷の定量化に基づいて各組み合わせのEM特性定数の導出を図っている。
2.実験による予測結果の検証
研究項目1で想定した組み合わせ配線の作製を行い,通電実験を実施した。ビア接続を模擬した配線構造を対象としたため,通電実験によるEM損傷しきい電流密度の評価を図った。通電が長時間に亘るため現在も実験を継続中である。
3.組合せ配線構造体の機械的特性評価
研究項目1で作製した組み合わせ配線を対象に,微小表面材料特性評価装置を用いたナノ・インデンテーション試験を実施した。これによりTEOSとポリイミドの保護膜各々で表面近傍の弾性率の評価を行い,TEOSの弾性率はポリイミドに比較して4.5倍ほど大きいことがわかった。また,押し込み量の大きな試験を実施することにより,保護膜-配線間の付着強度について検討を行った。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Electromigration Failure of Metal Lines2006

    • 著者名/発表者名
      H.Abe(K.Sasagawa, M.Saka)
    • 雑誌名

      International Journal of Fracture 138・1-4

      ページ: 219-240

  • [雑誌論文] 多結晶およびバンブー構造Al配線におけるエレクトロマイグレーション損傷しきい電流密度2006

    • 著者名/発表者名
      笹川和彦(山路尚, 福士翔大)
    • 雑誌名

      応用物理学会 薄膜・表面物理分科会 第12回LSI配線における原子輸送・応力問題研究会予稿集

      ページ: 21-22

  • [雑誌論文] 折れ曲がるバンブー構造配線のエレクトロマイグレーション損傷しきい電流密度2006

    • 著者名/発表者名
      笹川和彦(山路尚, 福士翔大)
    • 雑誌名

      日本機械学会2006年次大会講演論文集(1) No.06-1

      ページ: 907-908

  • [雑誌論文] 半導体集積回路配線におけるエレクトロマイグレーション損傷しきい電流密度の評価2006

    • 著者名/発表者名
      笹川和彦(山路尚, 福士翔大)
    • 雑誌名

      エレクトロニクス実装学会 MES2006 第16回マイクロエレクトロニクスシンポジウム論文集

      ページ: 267-270

  • [雑誌論文] Threshold Current Density of Elecromigration Damage in Angled Polycrystalline Line2006

    • 著者名/発表者名
      K.Sasagawa(N.Yamaji, S.Fukushi)
    • 雑誌名

      Abstracts of 2006 Asian Pacific Conference for Fracture and Strength

      ページ: 415

  • [雑誌論文] エレクトロマイグレーション損傷と数値シミュレーションによる信頼性評価法2006

    • 著者名/発表者名
      笹川和彦
    • 雑誌名

      日本材料学会第43回X線材料強度に関する討論会講演論文集

      ページ: 12-17

  • [図書] 金属微細配線におけるマイグレーションのメカニズムと対策2006

    • 著者名/発表者名
      新宮原正三(笹川和彦 ほか13名)
    • 総ページ数
      206
    • 出版者
      サイエンス&テクノロジー

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi