研究概要 |
(数値解析手法の開発に関する研究成果) 熱応力下の三次元異方性異種材界面き裂の応力拡大係数を解析する手法を完成させた.この手法は,通常の6面体要素の他に4面体要素に対しても有効に適応できることが判った.また,任意の二次元異方性異種材接合角部の応力特異指数と応力拡大係数をH-integralを用いて解析する手法を開発した.この研究で,異方性異種材接合角部,異方性異種材界面き裂,均質体中のき裂を統一的に表すことのできる応力拡大係数の定義を提案した. (デジタル相関法による微細接合部のひずみ測定に関する研究成果) デジタル画像相関法をレーザー顕微鏡画像に適用することを試みた.その結果,レーザー顕微鏡画像には,走査型顕微鏡に特有な走査方向のランダムな画素ずれがあることが判明した.そこで,この画素ずれを画像処理によって取り除く方法を検討している. (電子実装部のはく離防止設計手法の開発に関する研究成果) 2枚のシリコンチップを重ねて,基板状に樹脂封止したStacked BGA Packageについて,シリコンチップと基板の間のダイアタッチ剤によって吸湿リフロー耐久性が異なるという問題を,三次元異種材界面き裂の応力拡大係数を用いて評価した.その結果,吸湿リフロー耐久性が劣るダイアタッチ剤は,水分の溶解度係数が大きく,保管中に吸湿した水分がリフロー時により大きな圧力として作用し,シリコンチップと基板の間の初期欠陥を拡大させて破壊に至ることが予測された.
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