研究課題/領域番号 |
17360052
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
野口 博司 九州大学, 工学研究院, 教授 (80164680)
|
研究分担者 |
東田 賢二 九州大学, 工学研究院, 助教授 (70156561)
尾田 安司 九州大学, 工学研究院, 助手 (20091340)
青野 雄太 九州大学, 工学研究院, 助手 (70264075)
|
キーワード | 水素 / 燃料電池 / 金属疲労 / き裂伝ぱ / 疲労限度 |
研究概要 |
1.模擬高圧ガス疲労試験としての水素プラズマ中疲労試験法を確立するために、種々の条件下で水素プラズマによるSCM435材の水素侵入特性を調べた。その結果、極板間での試料位置が、試料を陰極の一部とする場合および陰極近くにおいた場合に水素侵入量が大となることが分かった。またアースシルドが有効であることも分かった。このことは、水素プラズマ中で疲労試験を行う場合に有効な知見となる。 2.水素プラズマチャージと1MPa水素ガスを組み合わせることで、水素プラズマによる水素侵入加速試験の可能性を示した。本年度に10MPa水素ガスで暴露試験可能な圧力容器を導入した。これを用いて、次年度から各種材料における10MPaまでの水素ガスにおける侵入特性を調べ、水素プラズマ試験との比較および長時間使用後の水素侵入特性を調べることが可能となる。 3.S10C焼きなまし材の低圧水素ガス中および窒素ガス中において、低サイクル疲労試験を行い、き裂伝ぱに及ぼす低圧水素ガス雰囲気の影響を調べた。その結果、水素ガス中のき裂伝ぱ速度は窒素ガス中のそれの約10倍速くなった。破面には脆性的な平坦破面が比較的多く見られた。 4.A6061-T6材の疲労き裂伝ぱ速度に及ぼす周波数(0.2、0.1、6Hz)の影響を調べた。周波数が減少するにつれ、き裂伝ぱ速度は窒素ガス中、水素ガス中ともに速くなったが、水素の影響は減少するようである。 5.溶体化したSUS304微小穴材からのき裂は停留挙動を示した。0.18MPa水素ガス中の疲労限度は大気中のそれより少し高い値を示した。 6.溶体化したSUS316L平滑材の疲労限は微小き裂の伝ぱ限界で決まっており、1MPa水素ガス中の疲労限度は大気中のそれより少し高い値を示した。電解チャージにより試験片表面付近に多量の水素を侵入させた場合の疲労限度も大きく減少しないようである。
|