研究概要 |
光通信やIT産業の著しい発展に伴って、高効率導光板、様々なサイズからなる凹凸マイクロレンズアレイ、ディスプレイ表面の正反射防止フィルム、非球面マイクロレンズなど高付加価値で高機能な3次元微細構造を創成する超精密微細加工技術が問題になっている。すなわち、多品種少量生産に対応し、かつ世界市場で十分な競争力を持った独創的技術が強く望まれている。そこで本研究では、高機能3次元微細構造を創成するための3つの新たなレーザ微細加工法を提唱し、その確立を目指した。 1)自己精度収束効果を利用した創成法…レーザ照射によって微細な窪みをガラス基板上に形成し、その後エッチングを行いえば、窪みは深さを変えずに形状を変え真球面に近似する。ガラス基板上に反射率・透過率の制御が可能なφ30μm、深さ0.1μmの球面(凹)アレイを形成し、FPD表面の正反射防止かつ透過促進機能を格段に向上させることができた。また,配列を制御することで六角形,四角形,三角形のディンプルを形成することが可能となった.これにより,表面微細形状の新たな制御創成法を見出した. 2)レーザ重複効果を利用した創成法…光学ガラスに対し、パルスYAGレーザ(λ=1064nm)を照射すると、レーザは試料内部まで吸収され,転位点に達し表面に凸部を形成する.この凸部に型を転写することで,今までレーザ照射だけでは不可能であった複雑な微細形状をガラス表面に創成することが可能となった.
|