研究概要 |
平成18年度は,以下の3点について研究を実施した. 1.機上計測結果のダイレクトフィードバック レーザ変位計を用いた非接触走査型の加工形状機上測定機能を実現した.レーザ変位計を加工表面から一定距離を離して走査するために開発済みの仮想倣い機能を利用することで,走査型でありながら高速測定が可能となった.しかし,変位計のアライメントや計測値取得の時間遅れなど測定精度改善のための課題も明らかとなった.また,加工誤差の修正加工を実現するためにボクセルモデルの利用を検討したが,モデルで表現可能な精度や修正加工を行う仮想倣い機能との連携に問題があり,CADモデルの加工面に加工誤差を転写して修正加工用モデルを生成する方式を新たに考案した. 2.実時間切削力シミュレーションによる加工状態の認識 平成17年度に開発した実時間切削力シミュレータによる切削力の予測値と切削実験による実測値を比較して,定性的にも定量的にも加工状態の認識に利用できることを確認した.また,切削力の予測値とNC工作機械でモニタリング可能な主軸負荷とを実時間で比較する実験を行ったが,モニタリングされる主軸負荷に原因不明の変動や誤差が含まれることがわかり,引き続きその原因究明を実施する. 3.製造実行システム(MES)の開発 生産システムにおける生産活動の進捗状況をリアルタイムに認識するための技術として,プレゼンスサーバに注目した.加工中や搬送中などといったプレゼンス情報を工作機械やワークに付加し,それを製造実行システムで一元管理することで,工作機械の稼働状況や,ワークの位置などを適切に認識することができる可能性を示した.またその情報をもとにスケジューリングを行うことで,機械やワークの状況を適切に認識してスケジュールの修正を行うことができる.
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