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2007 年度 実績報告書

大面積電子ビーム照射による金型の高能率表面処理法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17360064
研究機関岡山大学

研究代表者

宇野 義幸  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (20029341)

研究分担者 岡田 晃  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (60263612)
岡本 康寛  岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教 (40304331)
キーワード電子ビーム / 金型 / 表面仕上げ / 表面改質 / 表面処理
研究概要

昨年度までに,電子ビームのエネルギー密度や照射回数などの照射条件が平滑化特性に及ぼす影響について明らかにし,平滑化のための最適条件を明らかにした.また,照射断面の光学顕微鏡観察やTEM観察により照射面の構造を明らかにし,電子ビーム照射最表面には数ミクロン以下の最凝固層が形成されること,そして結晶粒の小さい組織を形成することがわかった.さらに再表面の組織を分析したところ,成分の変化はないが構造は異なっていることが判明した.つぎに,各種の表面特性について評価したところ,若干の硬度低下が生じるものの,撥水性が向上すること,耐食性が向上することを明らかにした.すなわち,金型の表面特性として必要とされる耐食性や撥水性の改善を表面の平滑化と同時に行えるため,有用な表面処理法であることが示された.
本年度は,まず,昨年度改良を行ったビーム発生電源部を用いたミリ秒オーダー照射時間について検討を行った.その結果,数百μmの非常に厚い再凝固が得られるものの,表面には大きなクレータが発生するため,現段階では表面平滑化法としては適用が難しいことが分かった.
次に,実用化に向けた傾斜面平滑化特性の解明を行った.すなわち,一般に金型は複雑な形状を有しており,効率的に表面の平滑化を行うためには,傾斜した面に対しても十分な平滑化が可能であることが望ましい.傾斜面の平滑化を検討した結果,傾斜角70°程度までは,電子が照射試料表面の形状に倣ってある程度均一なエネルギー密度で照射されるため,試料の傾きなどの調整なく,大面積を一括して均一に平滑化できることが分かった.
さらに,電子ビーム照射による表面除去量の測定を行ったところ,一回の照射での除去量は数十nmレベルであり,大面積が均一に除去されることが分かった.したがって金型の表面形状精度が悪化することなく,表面処理が行えることがわかった.

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] A New Polishing Method of Metal Mold with Large-area Electron Beam Irradiation2007

    • 著者名/発表者名
      Yoshiyukj UNO, Akira OKADA, Kensuke UEMURA, Purwadi RAHARJO, Sadao SANO, Yu ZHANBO and Susumu MISHIMA
    • 雑誌名

      Materials Processing Technology No.187-188

      ページ: 77-78

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Surface Finishing of SKD ll Tool Steel via Plasma-based Electron Beam Irradiation2007

    • 著者名/発表者名
      Yoshiaki DAICHI, Sadao SANO, Yoshiyuki UNO and Akira OKADA
    • 雑誌名

      Journal of Key Engineering Materials Vols.364-366

      ページ: 302-307

    • 査読あり
  • [雑誌論文] High Efficiency EB Polishing of Metal Mold2007

    • 著者名/発表者名
      Akira OKADA, Toshiyuki UNO, Yoshiaki DAICHI and Sadao SANO
    • 雑誌名

      Proc. of the 15th International SymPosium on ElectroMachining

      ページ: 409-414

    • 査読あり
  • [学会発表] EBポリッシングによる金型の表面改質2007

    • 著者名/発表者名
      宇野義幸, 岡田晃, 佐野定男, 大地慶明
    • 学会等名
      型技術ワークショップ2007in広島
    • 発表場所
      広島
    • 年月日
      2007-11-27
  • [学会発表] 金型EBポリッシングにおける微粒子ピーニングのクレータの低減に対する効果2007

    • 著者名/発表者名
      近藤温, 岡田晃, 宇野義幸, 佐野定男, 大地慶明, 三島進
    • 学会等名
      2007年度精密工学会広島地方学術講演会
    • 発表場所
      呉
    • 年月日
      2007-11-16

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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