研究課題/領域番号 |
17360067
|
研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
森 誠之 岩手大学, 工学部, 教授 (60091758)
|
研究分担者 |
南 一郎 岩手大学, 工学部, 准教授 (00183111)
七尾 英孝 岩手大学, 工学部, 助教 (50312509)
|
キーワード | 境界潤滑膜 / 耐摩耗剤 / 摩擦調整剤 / 表面分析 / 添加剤相互作 / 潤滑油添加剤 / 表面形状 / なじみ過程 |
研究概要 |
前年度の成果を受けて、材料表面の形状とトライボロジー特性について詳細に検討した。潤滑油添加剤は、前年度に表面形状の影響を受けやすいことを見出した添加剤Aを主体に用い、表面形状と反応生成物およびトライボロジー特性との関係を検討した。 ディスク表面の粗さに依存して表面反応生成物が増加し、電子線マイクロアナライザーによる分析で、これは硫黄化合物である事が分った。さらに、生成物をX線光電子分光法および飛行時間型二次イオン質量分析法により解析し、添加剤Aより生成した二硫化モリブデンであることを確認した。すなわち、表面形状により添加剤Aの反応が制御され、固体潤滑剤である二硫化モリブデンが低摩擦を実現したことを明らかにした。さらに、摩擦面におけるトライボ化学反応が表面形状に依存することも明らかになった。これは、表面形状の突起部において新生面が生成し、新生面と反応しやすい添加剤Aが選択的に反応することにより、潤滑性の二硫化モリブデンを生成したと考えられる。現在、この反応および潤滑機構をもとにして、さらに潤滑効果を生む表面形状、摩擦材の材質および添加剤との最適化を図ることを目的に検討を続けている。 これまでの成果は、学会において口頭で発表するとともに、特許出願し、論文として投稿する準備を進めている。
|