研究概要 |
本研究の目的は,シュリンクフィッタ技術を核に高解像ながらも視野が格段に広い新しいタイプの顕微鏡を世界に先駆けて研究開発することである.そのためには,走査レンズ(fθレンズ)を,シュリンクフィッタという新しい機械要素を用いて構成することが必要不可欠となる.これまでの研究で,解像度が対物レンズ換算で約10倍であり,かつ視野が10mm幅のレーザイメージャーの開発に成功した.今回のレーザスポットの目標は、これまでの3μmから1μmへ結像面のレーザスポットを微細化することである. 目標値となるレーザスポット径1μmを走査幅3mmにわたって走査できるレンズ群を設計した.その際に,fθ特性とテレセントリック性を同時に満足するように努めたが,現在のところテレセントリック性を満足することはできなかった.設計したレンズ群を製作するために,レンズ原器とレンズを外注した.レンズに関しては,その曲率と真円度の測定および光軸の偏心測定を行い,設計どおりの光学性能が発揮できることを確認した.このために,光学設計ソフトCode Vを使用して光線解析を行った.次に,レンズを保持するアルミ鏡筒の設計と製作をしなければならないが,設計のみが完成し製作は次年度になってしまった.鏡筒が製作できた時点で,その真円度と円筒度を測定することになる。シュリンクフィッタについては,NC旋盤による製作と真円度・円筒度の測定を行った. さらに、レーザイメージャーの画像改善のためにジッタ特性を向上させた。そのためには、走査ミラーの支持軸受を、これまでの玉軸受から空気動圧軸受に変更した.平面ミラーを接着した後に,空気動圧軸受の動的バランスを2面拘束法により修正した.本研究の目標仕様をクリアするためには,12,000rpmにおいても,3/1000%以下のジッタ(回転ムラ)でなければならない.
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