研究課題/領域番号 |
17360076
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大島 まり 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (40242127)
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研究分担者 |
庄島 正明 東京大学, 医学部付属病院, 助手 (80376425)
大石 正道 東京大学, 生産技術研究所, 技術職員 (70396901)
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キーワード | 流体構造連成階席 / in vitro実験 / ステレオPIV / 脳動脈瘤 / マルチスケール / 境界条件 / Image-Based |
研究概要 |
本年度は、まずImage-Based血流シミュレータの改善と実験による評価を行うために、シミュレータの構築とin vitroモデル実験の構築、両者の結果の比較・検討を行った。 シミュレータについては、流体構造連成有限要素法プログラムを構築し、脳動脈瘤付近の血流シミュレーションを行った。ここで、血管内部の流体領域は非圧縮ニュートン流体、血管壁部分の構造領域は線形弾性体としてモデル化している。血管壁を弾性体とした場合と剛体とした場合では血流場に大きな違いが見られ、流体構造連成解析の必要性が示唆された。 in vitroモデル実験について、剛体壁の実血管形状in vitroモデル内の脳動脈瘤部に対して定常流入条件下でステレオPIV計測し、約6万点の速度3成分のデータを取得した。この結果から流跡線を作成した結果、動脈瘤に沿った2つの渦構造が観察された。また、血管データと速度データより算出した壁面せん断応力は血管部よりも動脈瘤部の方が低く、数値解析で得られた結果と定性的な一致を示した。 次に血流と血管壁の相互作用を考慮したシミュレータの開発と実験による評価を目指して流体構造連成プログラムの改善と弾性壁モデル実験の準備を行った。 シミュレータの改善については、構造の変形を正確に再現する必要性から、構造領域の材料モデルに超弾性体を装備した。これからこの超弾性体モデルを用いて、脳動脈瘤の流体構造連成解析を行っていく予定である。 モデル実験については、PIVをベースとした弾性円管内の流れと壁の挙動を同時計測できる手法の開発を目指し、現在、弾性管に使用する材料の選定が終了し、単純な弾性円管モデルの作製方法の検討を行っている段階である。今後、弾性円管モデルを使った内部の流動と壁部の分別方法の検討と、壁の形状認識・追跡アルゴリズムの開発を行う予定である。
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