研究課題
乱流中のキャビテーション現象とキャビテーションに伴う乱流の変調を数値的にシミュレートするための非定常解析法の確立と実用化を目的として、本年度は次の3項目に関する研究を行った。1.キャビテーション乱流の一方程式型LESモデリングLESのサブグリッドスケールモデルを実機のキャビテーション流れ解析に拡張するためには、(a)一般座標系への展開、(b)弱圧縮流れへの適用、(c)微細渦の統計的性質に基づく低圧力領域の推定、の3項目が不可欠である。(a)と(b)に関して、本研究グループが提案している1方程式型ダイナミックモデルを弱圧縮流れに展開し、前年度から引き続いて翼周りの流れを扱い、本年度は新たに円柱周りおよび非対象ディフューザーにおける剥離乱流についても適用して有効性を検証した。2.乱流要素渦とキャビテーションの相互作用の解析上記の(c)に関連して、単独のバーガース渦モデルにおけるキャビテーション流れの解析を行い、消滅解・定在解のほか振動解を見いだし、要素渦の強度とキャビテーション数をパラメーターとしてキャビティの振る舞いを再現し、モデル化の指針となりうる物理現象を分類した。3.空間発展場での剥離乱流のLES剥離乱流の実験結果に対応する乱流のLES解析と検証を行う前段階として、直接数値シミュレーション(DNS)を継続し、圧力場や渦度変動など、実験的に得られていないデータの取得を行った。前年度には三次元非定常剥離を再現して渦中心と低圧分布の対応関係を把握したが、本年度はキャビテーション発生条件下での解析を行い、バーガース渦型の縦渦構造に伴うキャビテーションも再現して、乱流要素渦がキャビテーション生成に関与していることを確認した。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (6件)
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