研究概要 |
小型分散型の発電装置としてマイクロガスタービンが注目を集めている。燃料源として、災害時においても安定した燃料の確保を念頭におくと、液体燃料を使用することが望ましい。一方、日常的な運用を考慮すると、大気汚染の問題を解決する必要がある。本研究はこのような観点から液体燃料用の超低NOx燃焼器を開発したものである。本研究では、燃焼器の一次燃焼領域において、通常とは逆方向から燃焼用空気を供給し、一次燃焼領域内に燃焼ガスの反転流を形成させ、これにより保炎と内部EGR効果による低NOx燃焼を行わせた。平成19年度は研究計画の最終年度であり、燃焼器としての全体的な性能把握を行った結果、以下の点を明らかにすることができた。 (1) 一次燃焼領域が長すぎるとCOおよびNOx排出量が増加し,燃焼安定性も低下する. (2) スワーラ羽根角度の安定燃焼範囲に及ぼす影響は小さいが,旋回を掛けない場合には一次燃焼領域での混合が不十分となりCOおよびHC排出量が増加する. (3) ガイドベーンの羽根高さが低い場合、また一次燃焼領域と二次燃焼領域をつなぐスロート径が小さい場合では燃焼安定性が低下する. (4) 本燃焼器において一次燃焼領域の形状等を最適化した場合,一次領域空気過剰率1.50〜1.61近辺の条件で燃焼を行えば,EI(NOx)値を0.8g/kg-fuel以下かつEI(CO)値を10.0g/kg-fuel以下に抑制できる.
|