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2005 年度 実績報告書

時空間混合気制御による高効率・低エミッション噴霧燃焼法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 17360102
研究機関同志社大学

研究代表者

千田 二郎  同志社大学, 工学部, 教授 (30226691)

研究分担者 藤本 元  同志社大学, 工学部, 教授 (90051630)
キーワード熱力学 / 燃焼 / 熱機関 / 熱・物質移動 / 燃料設計
研究概要

本研究ではディーゼル機関の代替として期待される反面,未燃成分の排出,着火制御あるいは適用負荷範囲などの問題を有する予混合圧縮自着火(HCCI)燃焼を対象に,それら諸問題を解決すべく,混合燃料に多段燃料噴射を併用した時空間的な混合気制御による新たな燃焼制御法を提案している.
今年度はその中でも,燃料の物理および化学的特性各々の影響および可能性を把握するため,大別して2種の実験を行なった.
(1)物理的側面として,特に低沸点成分を含む混合燃料独自の減圧沸騰噴霧を利用した際のHCCI燃焼の特性を調べた.巨視的,微視的両側面から噴霧観察を行ない,燃料過熱度と雰囲気条件が減圧沸騰噴霧の特性に及ぼす影響を把握した.さらに,HCCI燃焼試験実施のため改造を施した実機関において,燃料過熱度および噴射時期を変更し,燃焼・排気特性を調べた結果,(1)減圧沸騰噴霧が軽油の主成分となる高沸点成分の混合気形成を改善し,未燃成分の排出を抑えること(2)混合気濃度を制御可能であり,高い熱効率を維持しながらスモークはもとよりNOxの排出を抑制可能であるためHCCI燃焼の適用範囲を広げることができることが分かった.
(2)他方,燃料の化学的特性がHCCI燃焼に及ぼす影響を把握し,それを利用した制御手法を検討するため,物理的特性がほぼ等しく着火性の異なるn-ヘプタンとi-オクタンの混合燃料を供試し,(1)と同様の実機関における燃焼・排気特性を調べた.その結果,(1)着火性の相違がもたらすクランク角に対した燃焼重心の変化がNOxおよび燃焼効率に多大なる影響を及ぼすこと(2)それらにはトレードオフの関係が存在し,燃焼効率を高くするには不均一混合気が必須であること(3)着火性によりHCCI燃焼の適用可能負荷が変化し,着火性が低いほど高負荷に広く,低負荷に狭いことなどの知見を得た.
以上の(1),(2)に関する結果は,今後の混合気濃度制御法および多段燃料噴射に対する基礎的知見として重要な結果である.

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2006 2005 その他

すべて 雑誌論文 (6件)

  • [雑誌論文] 混合燃料の化学的性質と蒸発特性がディーゼル噴霧の自着火過程に及ぼす影響2006

    • 著者名/発表者名
      和田好充, 橘田佳明, 山口晃弘, 西村優史, 千田二郎, 藤本元
    • 雑誌名

      日本機械学会論文集B編 717号・72巻(掲載決定)

      ページ: 263-269

  • [雑誌論文] 燃料の着火性および混合気の不均一性によるHCCI燃焼の限界究明2006

    • 著者名/発表者名
      沖本和樹, 北村直樹, 和田好充, 千田二郎, 藤本元
    • 雑誌名

      日本機械学会関西支部第81期定時総会講演会講演論文集 064-1

      ページ: 11-17

  • [雑誌論文] 予混合圧縮着火機関への適用を考慮した二成分混合燃料における減圧沸騰現象の解明2005

    • 著者名/発表者名
      西村優史, 和田好充, 山口晃弘, 千田二郎, 藤本元, 尹俊圭
    • 雑誌名

      第14回微粒化シンポジウム講演論文集

      ページ: 61-66

  • [雑誌論文] ディーゼル雰囲気場における二成分混合燃料の着火特性2005

    • 著者名/発表者名
      山口晃弘, 和田好充, 西村優史, 千田二郎, 藤本元
    • 雑誌名

      日本機械学会年次大会講演論文集 05-1

      ページ: 69-70

  • [雑誌論文] 早期燃料噴射条件下における二成分混合燃料の減圧沸騰噴霧に関する実験的解析

    • 著者名/発表者名
      和田好充, 山口晃弘, 西村優史, 尹俊圭, 千田二郎, 藤本元
    • 雑誌名

      自動車技術会論文集

  • [雑誌論文] ガソリン系燃料を用いた多段燃焼法の提案研究

    • 著者名/発表者名
      原口茂則, 沖本和樹, 和田好充, 千田二郎, 藤本元
    • 雑誌名

      自動車技術会論文集

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公開日: 2007-04-02   更新日: 2016-04-21  

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