研究課題
放電型アクチュエータ(PSJA : Plasma Synthetic Jet Actuator)を製作し、アノードとカソードの形状がどのように噴流誘起特性に影響を与えるかを計測した。その結果、アノード幅とカソード幅の比に噴流を誘起するために最適な値が存在することがわかった。PSJAが乱流平板境界層に与える影響を調べるために、直接壁面せん断応力センサーと熱線風速計を用いて低乱風洞試験を行なった。熱線風速計による計測より、壁面近傍で流れが加速していることが確認できた。PSJAの後流の壁面せん断応力の直接測定は今後も継続してデータの信頼性を高める必要があるが、今年度の実験結果からはせん断応力が減少する可能性があることが確かめられた。翼上面設置したPSJAにより剥離が抑制できることが分かっているが、遅延フィードバック制御によりその性能が改善できることは実験的に確認した。遅延フィードバック制御はSJA(Synthetic Jet Actuator)を用いた浮き上がり火炎制御にも有効であることが分かった。今後、PSJAを使ったより精密な制御の可能性を探る。有限体積法による数値流体力学的解析によりPSJA周りの電場および流れ場のシミュレーションを行なった。その結果、真空の誘電率(空気も同値と見なす)を用いた誘電力では実験結果より小さい噴流しか誘起しないことが分かった。今後、空気の湿度の影響も含めモデルパラメータの同定が必要である。壁面せん断応力測定のためMEMS(Micro Electro Mechanical System)製造技術を用いたセンサーを試作した。今後、このセンサーを使ってPSJAの特性を計測するとともに、閉ループ制御系の有効性確認研究を行なう。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (2件)
AIAA-Paper No.2006-1406 44th AIAA Aerospace Sciences Meeting and Exhibit, Reno, Nevada
ページ: 1-10
日本機械学会論文集 B編 72巻715号
ページ: 901-908