研究課題/領域番号 |
17360111
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
竹内 昌治 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (90343110)
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研究分担者 |
鈴木 宏明 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (20372427)
野地 博行 大阪大学, 産業科学研究所, 教授 (00343111)
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キーワード | リポソーム / MEMS / MicroTAS / マイクロフルイディスク |
研究概要 |
本研究では、膜タンパク質の機能解析のために、直径の揃ったリポソームを効率的に作成し操作するマイクロ流体デバイスを検討する。リポソームは脂質2重膜で水溶液を包含した球体である。細胞膜と同様の構造を持ち、膜の密閉性が高いため、ドラッグデリバリ用のカプセルや、人工細胞モデルとして幅広く利用されている。本研究では、リポソーム膜に膜タンパク質を導入することで、各種の膜タンパク質の挙動を個別に解析できるデバイスへの応用を探る。昨年度までに、リポソーム調整法の検討を行なった。リポソームの作成には、水和法やエレクトロフォーメーションを検討した。エレクトロフォーメーションは、他の一般的な方法に比べ、一枚膜構造を得られやすい、比較的大きさが揃っている、などの特長があるため、エレクトロフォーメーションをマイクロチャンネルを利用して実施するデバイスの研究を行なった。シリコーン樹脂であるPDMSを利用して微細な溝を形成し、透明電極(ITO)で被覆されたガラス基板を用いて流路を作成し、流路内に脂質膜を塗布後、電圧をかけることによって、リポソームが作成可能であることが分かってきた。 本年度は、このマイクロ流体デバイスを利用してエマルジョンを作成する要領で、均一直径のリポソームを作成する方法を試みた。マイクロ流路の濡れ性を変化させることで、W/0/Wのエマルジョンを作成することが一般的であるが、本研究では、同軸のFlow-Focusingデバイスを作成することで、濡れ性を変化させることなくエマルジョンを作成することに成功した。 以上、本研究で検討した2種類の方法を駆使することによって、均一直径のリポソームが作成できる可能性を示すことができたと考えている。
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