研究概要 |
本研究の目的は,把持と操りの動作をより確実にかつ安全に行うために,これまで通常検討されてきたものよりもさらに柔らかい柔軟表皮で覆ったロボットハンドシステムを開発し,その制御方式を確立することである.この高柔軟表皮構造を用いることによって把持対象物に加わる外力に対してかなり大きく順応変位する柔らかい把持状態から,指と対象物の相対変位がほとんど生じない硬い把持状態までを実現することができる.また,物体を把持した際指表面の変形により物体と指表面との接触面積が大きくなるため,一般に確実な把持操りを実現しやすく,またたとえば対象物の角に指をあてて把持することもできるなどの汎用性が得られるものと期待できる.本年度の研究実績の概要は以下のとおりである. (1)2本指ハンドのための一般的制御アルゴリズムの開発 前年度に試作した柔軟表皮2本指ハンド実験装置による円柱物体や方形物体の基本的把持操りのための一般的制御アルゴリズムを開発した.このアルゴリズムは,力センサ出力を利用するものの,制御則自体は基本的に位置制御で目的を達成できるものである. (2)2本指ハンドの把持操り実験 柔軟表皮2本指ハンドによる円柱物体や方形物体の把持操り動作の実験を行い,このハンドの基本的機能を確認した.実験動作としては,方形物体の把持と並進および回転,ビン蓋の開閉,クランク回しなどを行った. (3)ハンドアームシステムの開発 2本指ハンドを7自由度アームの先端に装着したハンドアームシステムを構成した.その際2本指の根元にも力センサを配置して,触覚なしに接触点および接触力をなるべく正確に推定できるような構造としている. (4)筋電制御義手実験システムの検討 筋電制御義手実験システム構築のための予備検討を行った. なお、研究発表については,International Conference on Advanced Robotics (ICAR2007)August 21-24,2007,Jeju IsIand, Korea,に応募している.また関連研究で既発表のものを11.に挙げている.
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