研究課題
発話音声に基づいてうなずきや身振りなどの身体的リズムの引き込みをロボットやCGキャラクタのメディアに導入することで、対話者の身体性を共有してインタラクションを円滑にする身体的コミュニケーションシステムを開発し、引き込みによる身体的インタラクションの重要性を実証してきた。本年度は、とくに集団引き込み反応によって場を盛り上げる手法として、歌い手の音声に対して複数の手型3Dオブジェクトが身体的引き込み動作を行うことで、歌い手と聴き手が一体となって場が盛り上がり、演者のパフォーマンスを支援する仮想観客システムのプロトタイプを開発した。本システムは、2007年2月18日に岡山県天神山文化プラザで開催された「かいゆう展」フィナーレコンサートで実演した。またタイピングを音声入力と見立てて、タイピングに基づくコミュニケーション動作の生成モデルを構築し、キャラクタチャットへの導入により、タイピング駆動型身体引き込みキャラクタチャットシステムInterChatを開発した。これまでの音声入力インタフェースをタイピング入力インタフェースへと拡張した。さらに講演者がスクリーンの前に立ち説明を行うプレゼンテーションの形式を想定し、講演者の発話音声から典型的な聞き手のうなずき反応を主体とした身体的引き込み反応を視触覚情報として講演者と聴衆に提示することで、互いに引き込み、一体感が実感できるプレゼンテーション支援システムのコンセプトを提案し、聞き手インタラクションモデルを開発した。このモデルの身体的引き込み反応を視覚情報として提示するInterPointerと振動刺激として提示するInterVibrator、InterPointerとInterVibratorを統合した視触覚提示システムのプロトタイプを開発し、実際のプレゼンテーションを模擬した官能評価実験を行うことで、システムの有効性を示した。
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