研究課題/領域番号 |
17360121
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
酒井 洋輔 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (20002199)
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研究分担者 |
菅原 広剛 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (90241356)
須田 善行 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (70301942)
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キーワード | 絶縁膜 / プラズマCVD / パーフルオロカーボン / 低誘電率 / 絶縁耐力 / a-C : F膜 |
研究概要 |
SF_6ガスは理想的な絶縁材料であるが大きな地球温暖化係数をもつため、その使用が制限されている。これに代わる絶縁方式として、導体部に非晶質フッ化炭素(a-C:F)膜をプラズマ化学気相堆積(CVD)を用いて機器導体部をコートし、導体部からの二次電子放出を抑制、その結果大気(窒素と酸素)によるガス絶縁によってもSF_6ガスと同(またはそれ以上)レベルを得ることを目標に新複合絶縁方式を提案し、評価検討を行なってきた。 初年度の成果として、申請者らが既に明らかにしている高速堆積が可能なパーフルオロカーボン(C_8F_<16>)を原料として、RFプラズマ中でのa-C:F膜堆積に直接寄与するラジカル種を、(1)プラズマの分光計測と今年度備品として購入した質量分析により分解されたC_xF_y種が観測した結果、CF_2が主たる前駆体であることを確認した。また、(2)Arガス希釈プラズマを用いると膜表面の物理的性質が改善(SEM観測の結果、表面の凹凸は数十ナノメータオーダで均質)されること (これはArイオンの膜表面への衝突による再処理効果)、(3)a-C:F膜の電気的化学的評価から比誘電率が2以下にすることが可能であることを確認(誘電率値は膜物性と依存すること)した。(4)その他、a-C:F膜をXPSやFTIRを用いCとFの結合状態を分析した結果基本的には非晶質のテフロン特性を持つことが推察された。 次年度以降では、本成果を下に膜プロセスの再現性と最適プラズマ条件を見出すとともに、誘電率値に及ぼす物理化学的特性を明らかにし、本膜の絶縁特性、ならびにSF_6代替絶縁方式の研究計画に従って研究を進める予定である。
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