研究課題/領域番号 |
17360133
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
橋詰 保 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 教授 (80149898)
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研究分担者 |
葛西 誠也 北海道大学, 大学院・情報科学研究科, 助教授 (30312383)
佐藤 威友 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 助教授 (50343009)
金子 昌充 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 非常勤研究員 (70374709)
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キーワード | GaN / AlGaN / 窒素空孔欠陥 / 酸素不純物 / 漏れ電流 / 表面制御 / ショットキー接合 / MIS構造 |
研究概要 |
GaNおよびAIGaN混晶の表面結晶欠陥および不純物の振舞いを詳細に評価し、金属界面特性・絶縁体界面特性との相関、および、デバイスの電流崩壊、漏れ電流および劣化・破壊現象との関連性を系統的に調べてこれらの機構を明らかにし、表面欠陥制御・界面制御に基づきデバイスの信頼性・安定性の向上に直結する知見を得ることを目的として、研究を行った。得られた主な成果を以下にまとめる。 1)窒素ラジカル処理、超薄Al膜堆積、真空アニールにより、AlGaN表面近傍の窒素空孔欠陥と酸素不純物を低減する表面制御プロセスを開発し、Ni/AlGaNショットキー接合において、逆方向漏れ電流の大幅な低減と電流-電圧特性の明確な温度依存性を実現した。 2)GaNおよびAlGaNとの絶縁膜界面を種々のプロセスにより形成し、高温および光照射下での容量-電圧測定により、禁制帯中央から価電子帯上端に分布する界面準位のふるまいを初めて明らかにした。また、界面準位の抑制には、超薄Al酸化膜制御層が有効であることを示した。 3)AlGaN/GaNヘテロ構造トランジスターを製作し、ゲートにパルスバイアスを加えた場合のドレイン電流の過渡応答を詳細に解析した結果、エネルギー的に連続分布を持つ表面準位が電流不安定性の主因であることを明らかにした。 4)上述1)の表面制御プロセスをPd/AlGaN/GaN構造に適用し、漏れ電流の抑制されたショットキー接合型水素センサーを作製し、高感度動作および高温安定動作を確認した。 5)オープンゲート型のAlGaN/GaN化学センサーを試作し、種々の溶液中におけるAlGaN表面のポテンシャル制御性を詳細に評価した。その結果、溶液のpH値変化に線形的に対応したポテンシャル制御が確認され、高感度・高安定化学センサーとしての応用が有望であることを見いだした。
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