研究課題
基盤研究(B)
研究の目的はフォトファブリケーション技術をベースにしたMEMS(Micro Electro Mechanical System)を利用して磁性材料に高アスペクト比微細加工法を施し、外部磁界遠隔電磁駆動方式の特徴を活かした磁気MEMS医用マイクロポンプ開発のための基礎技術を確立することである。電磁力のマイクロマシンへの応用の最大の利点は外部磁界を利用したワイヤレスのエネルギー供給ができるという点にある。ワイヤレス駆動は可動部付近のコイルが不要なため、マシン構造を著しく簡単にすることが可能となる。また、透磁率がほぼ真空と等しいため、生体は通常のコイルで得られる低周波磁界にほとんど反応しない。従って、磁気マイクロマシンを一定期間体内に放置し必要に応じて駆動することも可能である。このような新しい医療機能をもったシステムは磁気マイクロマシンによってのみ実現できる。この考えをもとに以下の項目の基礎技術の確立を目指した。(1)永久磁石の微細加工:射出成形法により永久磁石薄膜を成形するために使用されるシリコン鋳型、アルミナ鋳型の高アスペクト比微細加工を実施した。自作した低温誘導結合RIE装置を使用してアスペクト比10程度までの加工に成功した。(2)高エネルギー積薄帯磁石:樹脂と混合して射出成形により数10μmの永久磁石薄板を作成するための異方性急冷薄帯磁石の開発、および、異方性電着磁石の開発を進めた。その結果、粒界相の含有量と急冷速度を制御することにより磁化容易が面垂直に配向した異方性薄帯磁石を得た。また、応力を導入するメッキ法により異方性を有する電着厚膜磁石を得た。(3)高吐出圧力マイクロポンプ機構:高粘性流体へ対応するための医用マイクロポンプをMEMSで実現するためには、シンプルな構造と高吐出圧力特性を両立させる必要がある。外部磁界で遠隔駆動できる電磁駆動型ポンプの拡大モデルを設計して上記目的の実現を図った。また、ワイヤレス駆動の方式について種々検討した。
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