研究概要 |
極低温フォトン検出器の1つである超伝導単一ラォトン検出器に着目し,車一磁束量子論琿回略の光入力用のスイッチとしての可能性を検討した。 MgO(100)単結晶墓板上へ数nmの膜厚で堆積したNbN極薄膜を電子ビームリソグラフィ法により150nm程度の線幅のミアンダパターンに加工し,液体ヘリウ温度4.2Kに冷却してマルチモードの光ファイバーを用いて波長850nmのVCSELからのレーザー光のパルスを照射した。レーザー光のパルス幅が2nm程度まで応答が観測されたが,ミアンダラインめ臨界電流値は20uA程度であり,SFQ発生用インターフェースでSFQを発生させめに必要な電流60μAに比較して1/3程度である。条件を満足する方法として,作製した薄膜の膜質を改善して臨界電流密度を上昇させるこどが考えられるが,現状では容易でない。そこで,ミアンダラインを並列化することにより臨界電流の増加を試みた。3本のミアンダラインを並列に接続レた場合,臨界電流値は1本の場合の約3倍となり,また応答遠度を維持したまま応答信号が増大した。結果的に,並列化することにより臨界電流の増加と応答速度の 高速化が可能であることがわかった。 SFQ発生回路については,ミアンダラインの応答がレーザパルスが入射された時,入射と同時に鋭い立ち上がりの電流パルスが得られると仮定して,微分回路でその鋭い立ち上がりを検出する回路を設計し正常に動作することを確認した。また,光パルスによる応答信号が方形波形状の場合に多数のSFQパルスが発生することを防ぐための,最終SFQパルス検出器を付属したSFQ発生回路を設計し,正常動作を確認した。 以上により,光スイッチからの充分な出力が得られる指針が得られるとともに,SFQ発生回路の動作が確認されたことからこれらの組み合わせにより光-SFQ変換回路の実現への指針が得られたと考えられる。
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