研究課題/領域番号 |
17360165
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
金 錫範 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (00287963)
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研究分担者 |
村瀬 暁 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (10312597)
七戸 希 岡山大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (80362953)
宝川 幸司 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (30257406)
黄 啓新 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (30257414)
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キーワード | 磁気センサー / 半導体微細化 / 半導体微細接合 / 磁場可視化 / 2軸磁場成分測定 / 酸化物超伝導薄膜 |
研究概要 |
本研究では、2軸方向の磁場成分(Bz, Bx)が同時に測定可能で、その空間分解能は1μm以下、そして1ガウス以下の微弱磁場が測定可能なホール素子を1次元的に集積するマイクロスケールのホール素子アレイの開発と、作製したマイクロスケールホール素子アレイの極低温応用として、酸化物超伝導薄膜の臨界電流密度分布を非接触で評価することが可能で、その空間分可能が酸化物超伝導体のグレインサイズの欠陥まで検出可能な測定システムの開発を目標として行っている。本年度の研究実績は下記のようになる。 1. 2軸方向磁場成分測定用ホール素子の開発 2年目である本年度においては、昨年に続いてGaAs薄膜によるホール素子の作製と同時にInGaAs薄膜を用いるホール素子開発についても検討を行った。ホール素子の作製方法としては、主にエピタキシャルリフトオフ(ELO)法を用いて、GaAsとInGaAs単結晶基板上に犠牲膜層をはじめ、電極用層、センサー層などを成長させた膜を準備した。そして、リソグラフィー法によりホール素子およびホール素子アレイを作製し、ワイヤボンディング法を用いて電圧および電流端子を接続した。開発したGaAs薄膜によるホール素子およびホール素子アレイはホール効果による発生電圧が比較的に低かったため、不純物濃度の最適化が必要であることが明らかになった。また、ワイヤボンディング法により電気的に接続させたリード線が液体窒素などの低温で機械的収縮により剥れるため、低温用のリード線接続法を新たに開発する必要がある。InGaAs薄膜に関しては、エピ膜の成膜には成功したもののホール素子の開発は次年度に行う予定である。 2.磁場可視化装置の開発 単一のホール素子の場合は、高精度の電圧計と定電流源が各1台あれば計測可能である。しかしながら、100個以上のホール素子をアレイする本研究の場合、ホール素子の数だけの電圧計を使用するのは不可能である。そこで、一つの電圧計で測定ができるようにスイッチング素子と電子回路を用いて順次に各ホール素子の微弱電圧が測定できる回路を開発した。開発したスイッチング電子回路を用いてリアルタイムではないものの100ms間隔で各ホール素子からの電圧を測定することが可能となった。
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