研究概要 |
中央給電型一層構造導波管スロットアレーアンテナを検討した。給電導波管を放射導波管の端に置いた従来の場合に比べ,放射導波管の長さが半減し帯域が倍増する。また,周波数変化による主ビーム方向の変化もないので,その点でも帯域が広がる。本アンテナの反射特性を解析して帯域を決める原因を調べた。有限要素法を用いて全アンテナ構造反射を解析し,実験結果と良好な一致を見た。また,その全反射量は多分岐給電回路,放射スロット導波管,入力開口単体の反射を単に加えたものとずれがあることが分かった。また,外部領域での放射スロット間の相互結合が全反射量を決めることも分かった。 逆相給電一層構造導波管スロットアレーにおいて給電導波路の長線路効果を半減させ帯域を約2倍にする部分並列給電用3分岐回路を提案した。25GHz帯において2GHzの帯域内で-20dB以下に反射を抑圧し,中央の導波管への電力分配量を入力の1/43〜1/4の範囲で制御できる。4GHz帯での実験により分配特性を確認した。 ミリ波広帯域対応テストセットを購入して既存の平面走査型近傍電磁界分布測定装置と組み合わせた測定システムの構築を進めた。 逆相給電一層構造導波管スロットアレーを76GHz帯で設計,試作した。一様励振設計については34.8dBiの利得を効率57%で実現し,サイドローブ抑圧設計についてはH面では-20dB,E面では-23dBまで抑圧した。 中空方形導波管広壁上に管軸に垂直に切られたスロットアレーのグレーティングローブを抑圧する手法として,スロットアレー上に無給電ダイポールペアアレーを設けた。モーメント法に基づく設計によりグレーティングローブを-15dBまで抑圧し実験で確認した。そのスロットアレーの反射を抑圧するために,各スロットに対し導波管内に反射抑圧ポストを設けた。12GHzのモデルで設計して反射を-20dB以下に抑圧し実験で確認した。
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