研究課題/領域番号 |
17360176
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
植之原 裕行 東京工業大学, 精密工学研究所, 准教授 (20334526)
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研究分担者 |
松谷 晃宏 東京工業大学, 精密工学研究所, 技術専門員 (40397047)
小西 毅 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90283720)
和田 尚也 情報通信研究機構, 研究マネージャ (20358873)
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キーワード | フォトニックネットワーク / 電子デバイス・機器 / 光物性 |
研究概要 |
速度40Gbps以上の高速な光信号の誤りを検出する光信号処理手法の確立を目指し、平成19年度は符号化器・復号化器のキーデバイスであるSOA-MZI型全光排他的論理和(XOR)の最適動作条件を解析的に検討し、実験的に動作実証を行った。また全光XOR回路を3段カスケード接続することによって、符合化器・復号化器を構成し、誤り検出動作の検討を行った。 まず全光XORの動作解析については、レート方程式を用いて制御光パワー条件と高速化のために用いるプッシュ・プル回路の分岐比・時間遅延量の最適条件を導出した。その結果、XORの2入力制御光パワーは同程度が最も信号品質が高くなる結果が得られた。また、その動作条件においてプッシュ・プル回路の分岐比は約30%、時間遅延量はRZパルスの半値全幅(半ビット時間)程度が最適である結果も得られた。 SOA-MZI型全光XOR回路に自作のプッシュ・プル回路を接続し、10Gbpsおよび40Gbpsでの動作検討を行った。使用したSOAのキャリア回復時間が130ps程度であったため、10Gbpsでは充分な信号品質が得られたが、40Gbpsではパターン効果による信号品質劣化の問題が見られた。特性改善のためには、より高速なSOAを用いるとともに、SOA-協ZIに用いられる2個のSOAの特性をなるべく合わせる必要がある。 次に、解析で得られたパワー、プッシュ・プル回路の分岐比、時間遅延量を用いてレート方程式を解き、符号化器・復号化器の動作解析を行った。40Gbpsの速度において、パターン効果の影響が見られるものの受信信号に誤りが無いときとあるときの誤り検出信号の強度差が6dB程度得られる結果となった。 そこで実際に3段の全光XOR回路を接続し、誤り検出の動作検証を行った。キャリア回復時間が130psであることを考慮して10Gbpsで測定し、受信信号に誤りが無いときに誤り検出信号はオール0となること、誤りが含まれるときにレベル1の信号が生成できることを実証した。
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