研究課題/領域番号 |
17360178
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
韓 太舜 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 教授 (80097287)
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研究分担者 |
森田 啓義 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 教授 (80166420)
長岡 浩司 電気通信大学, 大学院情報システム学研究科, 助教授 (80192235)
西新 幹彦 電気通信大学, 大学院情報システム学研究科, 助手 (90333492)
吉永 努 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教授 (60210738)
吉瀬 謙二 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助手 (50323887)
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キーワード | 情報基礎 / 情報工学 / 情報理論 / 投機ルータ / 分岐予測器 / 分岐予測モデル選択 / アーキテクチャ設計 |
研究概要 |
本研究では、情報理論と計算機アーキテクチャの二つの研究グループが共同して、情報理論でこれまでに培われてきた様々なユニバーサルデータ予測手法を系統立てて適用・検証することによって、計算機システムにおける投機処理に適したデータ構造の実現と、それに基づく投機実行アーキテクチャの設計、ならびにシミュレーションによる性能評価を行う。17年度は次のような成果が得られた。 1.投機処理に適したデータ構造としての反辞書 反辞書に関するいくつかの重要な基本的性質を調べた。反辞書のサイズの上界を理論的に求め、通常の辞書よりも常に小さくなることを明らかにした。また、二元系列に対する反辞書の構築に関して、従来法は入力長の2乗に比例する計算量が必要であったのに対し、線形計算量で構築できる手法を提案した。 2.マイクロプロセッサ内部における分岐予測 分岐履歴のパターンマッチングを用いた分岐予測法を適用し、予測精度の検証を行った。実験の結果、一致長の許容最大値を大きくするほど性能が改善され、分岐対象の分岐に至るまでの分岐履歴が重要であることが確認された。「gshare」と呼ばれる従来手法を用いてテーブルのエントリ数を2の24乗と非常に大きく設定した場合のミス率が4.71%であるのに対し、一致長の許容最大値を1024に設定した本手法のミス率は2.31%と高い精度を達成することがわかった。 3.投機スイッチングルータへの応用 情報理論グループが検討した予測モデルに基づいて、並列計算機ネットワーク用2次元トーラスにおける通信方向予測に関して評価した。実験の結果、規則性のある通信パターンでは60〜100%の予測精度が得られることがわかった。
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