研究課題/領域番号 |
17360178
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
通信・ネットワーク工学
|
研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
韓 太舜 電気通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 教授 (80097287)
|
研究分担者 |
森田 啓義 通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 教授 (80166420)
長岡 浩司 通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 准教授 (80192235)
西新 幹彦 通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助手 (90333492)
吉永 努 通信大学, 大学院・情報システム学研究科, 助教授 (60210738)
吉瀬 謙二 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 講師 (50323887)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
キーワード | 情報基礎 / 情報工学 / 情報理論 / 投機ルータ / 分岐予測器 / 分岐予測モデル選択 / アーキテクチャ設計 / Predictive Switching |
研究概要 |
本研究では、情報理論分野でこれまでに培われてきた様々なユニバーサルデータ予測手法を系統立てて検討し、計算機システムにおける投機処理への応用に取り組んだ。研究体制としては、情報理論と計算機アーキテクチャの二つの研究グループが共同して、計算機システムにおける投機処理に適したデータ構造の実現とそれに基づく投機実行アーキテクチャの設計、ならびに性能評価までを実施した。本研究の主な成果は以下の通りである。 1.投機処理に適したデータ構造としての反辞書 データ系列に出現しない極小系列の集合を利用した反辞書と呼ばれる圧縮法について考察した。従来、系列の長さの二乗のオーダの時間が必要であった反辞書の構成方法を線形オーダで可能にする算法を構築できた。その結果、漸近最適性をもつSPM法が入力長の二乗のオーダの計算時間を要するのに対し、線形の計算時間で同等の予測性能を達成し、本算法の有効性を確認した。 2.マイクロプロセッサ内部における分岐予測 分岐履歴と命令アドレスのパターンマッチングを用いた分岐予測法を提案し、予測精度の検証を行った。実験の結果、計算量や記憶量の制限がなければ、分岐履歴のみを用いた分岐予測法よりも高い予測精度が達成される可能性を示した。 3.予測スイッチングルータ 効率的に動作する予測スイッチングルータを実現するため、予測ミスパケットを削減する手法や予測ミスパケットを検出、破棄するための実装技術を提案した。また、それらを組み込み、動的な通信衝突などまで考慮した予測スイッチングの効果についてシミュレーションによる評価を行った。その結果、通信の規則性が強い通信パターンほど動的な通信予測スイッチングの効果が大きく、ゼロ負荷遅延のみならず、ネットワークの飽和スループットも改善することを確認した。
|