研究課題/領域番号 |
17360197
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
杉江 俊治 京都大学, 情報学研究科, 教授 (80171148)
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研究分担者 |
石川 将人 京都大学, 情報学研究科, 講師 (20323826)
東 俊一 京都大学, 情報学研究科, 助手 (40420400)
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キーワード | 拘束システム / 入力飽和 / 離散値入力 / 安定解析 |
研究概要 |
入力飽和を有する系の安定解析およびオフライン最適化に基づくロバスト目標値整形に関してはこれまでの成果を整理して学術雑誌に投稿し、論文として掲載された。 離散入力を活用した制御系設計法に関しては、全年度の成果を基礎として、大きく発展させることができた。入力を離散化した値とその元になる連続値との差異をフィードバックする手法は、連続値信号を離散値信号に変換する量子化器にメモリをもたせた動的量子化器の特別な場合として捉えることができることに着目し、以下の成果を得た。まず、連続時間系の枠組みにおいて空間分解能制約および時間分解能制約としてとらえ、問題を定式化し、対象システムの知識をあまり必要としない実用的な設計法を確立し、学術論文として成果発表できた。また、離散時間系の枠組みにおいては、対象システムの情報をフル活用し、制御性能を最適化する動的量子化器を提案し、離散値入力のもとでの達成可能な、目標値追従性能を明確にした。さらに、その結果をフィードバック系に拡張した。これらの成果は共に学術雑誌に論文として掲載された。これらはオフラインでの最適化であるが、一方、オンラインでの最適化としては、有限時間区間での最適化を繰り返すモデル予測制御の手法を援用しサンプル値システムの枠組みにおいて最適化をはかった。これに関しては数値例等によって有効性を確認したものの、理論的な背景を明確にするにいたらず、初期的段階の検討にとどまった。 ビジョンシステムを用いた制御実験装置の構築に関しては、2次元計測の両方を活用する形式で、ホバークラフト型の小型移動体を開発した。これを用いて、上記で提案された離散値入力制御の手法に基づき、その有効性の一旦を実験により検証することができた。
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