研究概要 |
各タスクのQoS値を公平化しつつ,プロセッサでの消費電力を低く抑える問題を多目的最適化問題として定式化した.プロセッサ周波数(つまり駆動電圧)とQoS値との重要度を示すパラメータを導入して,単一最適化問題に帰着させた.さらに,QoS関数が凸関数になる場合にパレート最適解を求めた. 従来の弾性タスクモデルの弾性係数を非線形とした非線形弾性タスクモデルを提案し,そのモデルを用いて,公平なリソース配分を動的に達成する適応リソース配分制御法を提案した.本手法では,配分したリソース量とQoS値のみを用いて次のリソース配分量を決定する.縮小写像理論を応用して,公平化が達成きるような非線形弾性係数の微分値の範囲を求め,その範囲にある限り,非線形弾性係数の値を正確にわからなくても制御できることを明らかにした.さらに,弾性モデルに基づいた低消費電力と公平なQoS値の同時最適化を多目的最適化問題として定式化し,各タスクのタスク周期とプロセッサの周波数の最適値を解析的に求めた. 動的再構成可能デバイス上のタスクの挙動をBrandinとWonhamの時間付オートマトンで,コンフィギュレーション間の遷移を有限オートマトンで,それぞれモデル化した.スケジューリングの目的を述語で記述することで,状態フィードバック制御により,各タスクのスケジューリングと動的再構成可能デバイスのコンフィギュレーションの変更スケジューリングを同時に行えるすべてのスケジューリングを求める方法を提案した. 言語測度を用いて,デッドラインミスによるタスクの効用の減少をモデル化することで,ソフトリアルタイムシステムにおける最適スケジューリングを求める方法を提案した.ハードデッドラインをもつタスクも共存する場合へ拡張するために,言語測度に-∞を導入して理論の拡張を現在行っている.
|