研究課題
基盤研究(B)
研究期間内の研究成果の概要は以下のとおりである。最初に、実物の1/2サイズのRPCMとFRCからなる実物の1/2サイズの合成床版の載荷実験よりその構造性能を明らかにした。床版自身は、鉄筋を使用せず、またストラップは鋼製の板である。プレートガーダーの剛性、RPCMの有無さらにRPCMとFRC間の接着強度をパラメータとした。結果として、曲げひび割れ強度及び破壊強度ともに大きく向上し、また、無鉄筋コンクリート床版の課題であった軸方向のひび割れ抑制に超高強度のRPCMが有効であることが分かった。次に、ストラップを鋼材に換えて、耐食性に優れたCFRP板を無鉄筋コンクリート床版に適用する課題に取り組んだ。最初に、本床版構造の耐力にRPCMとCFRP板の接合性能が大きく関わることから、接合部の強度試験を行った。それは、実際の床版を想定し、固定されたRPCMにCFRP板を埋め込み、そのCFRP板に引張荷重を載荷した。パラメータはジベル孔の大きさと数あるいは、その周辺の補強法等であり、供試体総数は14ケース,24体である。接合試験結果をもとに、構造的に最も効果的な接合方法を採用し、CFRP板をストラップとする無筋コンクリート梁を12体作製し、さらに、ストラップを3本配置した無筋コンクリート床版を作成し、部材中央に輪荷重相当の静的載荷及び定点繰り返しの動的載荷試験によりその耐力を明らかにした。得られた結果の主たるものをまとめると次のとおりである。初期ひび割れの発生荷重の顕著な増大は認められないものの、橋軸方向のひび割れが自由端に達し貫通するまでの荷重が、大きく改善され、RPCMのひび割れの進展を抑制する効果が大きいことが判明した。床版の破壊モードは、載荷点周辺に放射状にひび割れが進展するとともに、両側支点に沿った負のモーメントによる上縁部のひび割れが大きく貫通し、さらに載荷部が圧壊により陥没した。終局状態においてCFRPストラップは、一部に軸方向の割れが生じた。このFRCの割れは終局強度にも影響するので,本床版の実用化に向けての大きな課題である。
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平成18年度土木学会東北支部技術研究発表会講演概要集
ページ: V-5
ページ: V-6
ACI Structural Journal Vol.102, No.5
ページ: 709-718
Proc. of the E-MRS Fall Meeting 2005; Adhesion in Building Bonds : macro-, micro- and nanoscale
ページ: 1
Concrete on Hardened Surfaces of High Strength Ductile Cementitious Composites, Proc.of the E-MRS Fall Meeting 2005 ; Adhesion in Building Bonds : macro-, micro-and nanoscale (Warsaw, 2005)