研究概要 |
著者らは,正方形断面RC橋脚に一定及び変動軸力作用下での,曲げ及びねじりの交番載荷実験を行い,復元力特性や相関曲線を明らかにしてきた.本年度はこれまでの実験でパラメータ的に漏れていた帯鉄筋間隔60mm,初期軸力Oのケースに対し,純曲げ型,曲げ卓越,中間型,ねじり卓越,純ねじり型の5載荷パターンで合計5供試体の破壊実験を行った.供試体の寸法は昨年度同様,400×400×1600mmである. これらの実験結果とこれまでの実験結果を合わせた合計30体の実験データに関し,本年度は剛性低下率と等価減衰定数の定式化を行った.これらはねじりに関して等価剛性と等価減衰定数を必要とする耐震設計において必要不可欠な情報であり,既に実務家に利用され始めている. また,本研究で行っているような複雑な応力状態に対して,有限要素解析によって復元力特性が評価可能であるか否かを検証するため,汎用コードを用いて非線形有限要素解析を行った.その結果,純ねじりの単調載荷に関しては精度良く実験を再現できるが,交番載荷に関しては解が発散する場合があることを明らかにすることができた.
|