研究課題
1.遠距離海洋レーダによる海表面観測東シナ海南西部における流動場の時空間特性を明らかにするために、遠距離海洋レーダによって計測された表層流データと海面高度計によって計測されたデータを用いて東シナ海南西部における黒潮とその周辺の流動場の時系列解析(2002年〜2006年)を行った。解析の結果、東シナ海南西部に流入する黒潮は、台湾の東の海上で中規模渦を取り込むことでその流動場を大きく変化させることが明らかになった。また、遠距離海洋レーダによって台風下における流動場と波浪場の特性についての解析を行い、鉛直方向の混合の特性と沿岸域との海水交換の特徴を明らかにした。2.短波海洋レーダによる石西礁湖内の流動場観測短波海洋レーダによって石西礁湖とその南側海域の流動場の長期連続観測(2007年4月28曰〜2007年8月2日)を実施し、その流動場の特性について調査した。観測の結果、石西礁湖でのサンゴの産卵期における流動場の特性を明らかにした。また、石西礁湖と太平洋(外洋)との海水交換の特性を明らかにした。3.漂流ブイによるサンゴ幼生の追跡シミュレーション調査石西礁湖内のサンゴの幼生がどのような経路で浮遊し、定着するのかを明らかにするために、GPSと衛星通信を利用した漂流ブイによる追跡シミュレーション調査を実施した。調査の結果、石西礁湖内のサンゴ幼生の大部分は石垣島や西表島の沿岸域に供給されていることが明らかになった。また、サンゴ幼生の一部は黒潮本流に取り込まれ、下流の島々(宮古島など)にサンゴ幼生が供給される可能性があることも明らかになった。4.微細構造測定装置による乱流強度の解析東シナ海南西部から石西礁湖における混合層の特性を明らかにするために、平成17年度と18年度に実施した鉛直微細構造計測器による表層の乱流強度計測結果を解析した。解析の結果、海上風による表層の混合層発達過程とエネルギー逸散率の特性を明らかにした。
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