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2006 年度 実績報告書

DNAマイクロアレイを用いた環境汚染化学物質の多指標型毒性評価システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 17360250
研究機関北海道大学

研究代表者

岡部 聡  北海道大学, 大学院工学研究科, 助教授 (10253816)

キーワードヒトDNAマイクロアレイ / 遺伝子発現解析 / 毒性評価 / バイオアッセイ
研究概要

本研究は、(1)特定の有害作用(タンパク変性、酸化ストレス、細胞膜障害性、DNA障害性等)を持つ化学物質存在下において、特異的に発現するヒト遺伝子(群)を、DNAマイクロアレイ技術を用いて一挙に網羅的に探索・検出すること、(2)、(1)で選定された有害作用に特異的な発現遺伝子を標的としたバイオアッセイ系を確立し、環境水の毒性評価のためのより体系化された迅速・簡便・安価なバイオアッセイシステムを開発することを目的としている。
本年度の実験の結果、DNAマイクロアレイを用いた毒性評価法確立の為の基礎的データとして、6種の高濃度重金属曝露ヒト由来細胞のDNAマイクロアレイ解析を行い、遺伝子発現パターンを3種のモデル物質曝露時と比較することによって、その毒性作用の分類、評価を試みた。選択した評価遺伝子(467遺伝子)を用いた主成分解析及び階層的クラスター解析により、供試した物質をDMNQ、DMN、フェノールがそれぞれ持つ作用に従って分類可能であることが示された。すなわち、上記の解析により6種の重金属(As、Cd、Cr、Hg、Ni、Sb)はDMNQに類似した生物学的作用を有することが示され、これらの金属が酸化ストレスを主要な毒性作用として有することが示唆された。さらに重金属マーカー遺伝子として有用であると考えられる数種の遺伝子(HMOX1、CCNB2、PTTG1)が見出された。以上の結果より、DNAマイクロアレイ法は、環境水の潜在的影響を評価し、毒性分類するのに有用であると考えられる。また、本手法が毒性作用を評価するマーカー遺伝子の探索に有効な手法であることが確認できた。さらに、曝露時間の長時間化、濃度の低濃度化に応答した遺伝子発現プロファイル、マーカー遺伝子の発現を解析することで、より有用なバイオアッセイへの応用の可能性を明らかにできると考えられる。今後、他の毒性作用(DNA障害性等)や物質(有機溶媒、界面活性剤等)について同様の検討を行うことにより、総合的な多指標型バイオアッセイの開発が可能になると考えられる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] Classification of heavy metal toxicity by human DNA microarray analysis.2007

    • 著者名/発表者名
      Kawata, K., Yokoo, H., Shimazaki, R., Okabe, S.
    • 雑誌名

      Environmental Science and Technology (In press)

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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