研究課題/領域番号 |
17360258
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤原 健史 京都大学, 地球環境学堂, 助教授 (90229071)
|
研究分担者 |
松岡 譲 京都大学, 地球環境学堂, 教授 (90109033)
河瀬 玲奈 京都大学, 地球環境学堂, 助手 (90378852)
|
キーワード | 廃棄物 / アジア / 都市廃棄物 / 産業廃棄物 / 排出量推計 / 家計消費 / 物質循環 / モデリング |
研究概要 |
本研究は、技術、経済、社会の3つのモデルを統合して、東アジア圏で発生する廃棄物問題を予測し、問題を回避するための適切な資源化・処理・処分システムの選択について検討し、提案することを目的にしている。平成17年度は次の2つについて研究を行った。 (1)国間物質移動と経済統計のデータから廃棄物排出量を推計するモデルの開発 アジアの廃棄物統計値は限られた大都市でしか集計されていない。またほとんどの場合、利用可能なデータは廃棄物総量のみである。本研究では廃棄物の統計量が完備されていないことを前提とし、国際間10表や産業統計などの動脈側の統計量を援用することによって、廃棄物の排出量やリサイクル量を推計する方法を提案した。すなわち、国間や国内での財のフローに注目し、財に含まれる特定の物質(例えば、金属、木材、建材、化学製品など)についての物質収支式を立て、利用可能な経済統計や廃棄物排出量などの既知データを用いて、収支誤差を最小化しつつ式中パラメータを決定した。この方法を用いてアジア各国間の廃棄物発生量、リサイクル量の大枠を推計することができた。 (2)都市廃棄物発生量の分析 都市廃棄物推計の研究のために、中国研究者の協力を得て、日本では入手できない中国の都市別廃棄物排出量データを多数収集した。都市廃棄物発生量推計モデルを構築する前段階として、上海市の経済発展と廃棄物排出量の関係を調べたところ、一人当たりの実質GDPと廃棄物排出量の間に明確な線形関係が得られたが、1990年以前とそれ以降で傾きが変化しており、1990年ごろに消費スタイルが変化したものと判断された。その結果、都市廃棄物排出量のモデル化は、都市を発達の段階で2〜3のグループに分けて、それぞれについて行うことが妥当と考えられた。
|