研究課題
本年度の研究実績を以下に示す。平成18年度は、初年度に提案されたメソ気象とマイクロLESの融合モデルの実際の都市域を対象とした場合の解析結果に対して、乱流の非定常構造まで含めた再現性を自前の観測データに基づき検証すると共に、地表近傍において建物被害時に吹いていた実際の風の強さ(強風実勢)を推定しながら融合モデルの精緻化をめざした。したがって超音波風速計および三杯型風速計による風観測のシステム化、および風関連のデータと融合モデルにより得られた計算結果についてのデータ整備を進めるためにデータ処理計算機を中心に経費が充てられ、モデル計算用の諸費用として気象庁メソ客観解析データ、都市細密データに使われた。(1)都市域での強風の三次元乱流構造に関する観測のシステム化とデータ処理(竹見)強風特性が地形の影響を受けそうな都市域に観測サイトを設定し、超音波風速計を用いて、強風の三次元乱流構造に関するデータを蓄積した。なお、近接する複数地点での三杯型風速計も併せて用いることにより、風観測のシステム化を進めた。ただし、ここでは、従来の風観測のように基準となる風を対象としておらず、地表近傍のある程度の局所的な影響が入り込んだ風を対象としており、あくまで、提案した融合モデルの検証に活用する。(2)融合モデルによる推定値と観測データとの比較によるモデル検証(田村)台風来襲時および強い季節風時などを対象としながら、メソ気象モデルとマイクロスケールLES乱流モデルを用いた融合解析を行い、観測サイトにおける強風の三次元構造を求め、上記の自前の観測データならびに近辺の気象官署のデータと併せて、データ処理計算機上に非定常強風乱流に関する観測値と推定値のデータ整備を行った。両者の平均値ならびに変動値(乱れの強さおよび最大瞬間値)に対する比較を行い、融合モデルの推定精度を明らかにするとともに、モデルの改良方法について検討した。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (6件)
日本建築学会環境系論文集 604
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日本建築学会構造系論文集 606
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Direct and Large-Eddy Simulation VI
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The Fourth International Symposium on Computational Wind Engineering, CWE2006
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