平成20年度は、最終年度として、これまでに開発、さらには精度検証されたメソ気象とマイクロLESの融合モデルの適用例を増やし、その解析結果を用いて、環境あるいは防災問題の解決をめざした研究成果のまとめを実施した。 (1)強風時の被災に関する機構の解明と強風危険度の把握 都市域の強風に関する解析結果に基づき、強風の発生機構を明らかにし、強風時の災害状況を想定しながら、強風発生の局所的特性を把握することで、被災の危険度評価を実施した。その結果に基づき、都市域での台風来襲時、および局所暴風発生時の強風推定のためのデータを作成した。その際、強風のレベルを正確に予測した場合の建物の破損あるいは破壊との関連性を考察できるよう、なるべく都市域での可視化図の提供を中心に行った。なお、建物そのものが持つ施工時の不良などの人為的な要素については、今後の課題とする。 (2)強風災害低減のための資料の提示 強風災害発生の危険度の高い地域に着目し、その被災機構を考慮しながら、それに基づく耐風設計を高度化するための方法を模索し、災害低減のための資料を提示した。 特に、強風災害を判定する上で重要な最大瞬間風速に着目し、都市域の強風の乱流構造に基づいた都市キャノピーを中心とするガストファクターの推定関連図を提示した。
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