研究課題/領域番号 |
17360267
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
加藤 大介 新潟大学, 自然科学系, 教授 (90169508)
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研究分担者 |
土井 希祐 新潟大学, 自然科学系, 教授 (60134954)
中村 友紀子 新潟大学, 自然科学系, 講師 (20313504)
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キーワード | 鉄筋コンクリート / 柱 / 軸力保持能力 / 残存軸耐力 / 軸加力実験 / 曲げせん断実験 / コンクリート強度 / 偏心軸加力実験 |
研究概要 |
本年度はRC造柱のせん断破壊後の軸力保持性能のメカニズムを把握するための実験を行った。実験は鉄筋コンクリート造シリーズと鉄骨鉄筋コンクリート造シリーズの2シリーズ行った。 鉄筋コンクリート造シリーズでは20体の試験体を用いた。実験パラメータは、配筋詳細(溶接閉鎖型と90°フック(余長4d))およびコンクリート強度(高強度と低強度)および載荷方法である。載荷方法は、中心軸圧縮実験、繰り返し水平載荷実験、及び、残存軸力加力実験の3種類である。ここで、中心軸圧縮実験は軸力のみをかけ単純な軸耐力を計るための実験、繰り返し水平載荷実験は一定軸力を設定し、水平力を±方向交互に漸増載荷する地震時を模倣した実験である。さらに、残存軸力載荷実験はある程度水平力を作用させた後に、残された軸力抵抗を調べるために行う軸加力実験である。 繰り返し水平載荷実験の実験結果は以下の通りである。 (1)高コンクリート強度では軸歪に対する帯筋の影響は殆どないが、低コンクリート強度では軸歪に対する帯筋の影響が顕著に現れる。 (2)高コンクリート強度では軸力比の違いによって崩壊部材角に対する帯筋の影響はないが、低コンクリート強度では軸力比が小さいと崩壊部材角に対する帯筋の影響が顕著に現れる。 残存軸力加力実験の実験結果は以下の通りである。 (3)軸力、帯筋形状及び作用部材角を変化させて、残存軸耐力を実験的に得た。 (4)同作用部材角まで繰り返し水平載荷した場合、コンクリート強度の低いほうが、コンクリート強度が高いものより大きな残存軸力比を持っていた。 (5)地震時に柱が変形してしまい、本来の軸力支点にずれが生じると、その柱の軸力保持能力が急激に減少することが分かった。
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