本年度は当該研究の最終年であり、一昨年度、昨年度の研究成果を踏まえて以下の2項目を実施した。 1)並列計算システムの構築と遺伝的アルゴリズムのプログラム開発 初年度本研究助成によって導入した並列計算システムにより、遺伝的アルゴリズムの最適化過程を実行させるために開発されたプログラムにさらにチューニングをおこない高速計算が実行できる環境を構築した。これにより、並列化計算の効率が実際にどの程度まで可能なのかを直接検討するとともに、並列計算のための特殊なプログラミングの技法と効率化の方法を学習し、今後の研究に向けての基礎データを採取した。 2)確率論の導入による不確定要因の最適化過程への適用 設計荷重の内、地震荷重や風荷重は時空間的に不確定な要素を持つ。建築物の環境負荷低減設計をそのライフサイクルを視野に入れて行うためには、建築物の供用期間中におけるこれらの荷重が建築物に与える影響を評価に入れることが必要となる。今年度は、すでに昨年度、理論的検討を開始している不確定な要因に対応できる構造形態創生過程を構築するための基礎的な研究を遂行し、開発中の構造形態創生のシステムへ導入し、前項目にある並列計算システムに載せることで高効率の計算過程を構築した。
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