研究概要 |
本研究では、従来のペーストマトリック+骨材に加え、新たな有機的な機能を持つ次世代に向けた高機能コンクリートについて実験研究する。本年度は、磁力等により繊維の配向性高めた繊維を有機的に含有することで高靭性化した有機質モルタルの開発、壁面緑化が可能となる植栽基盤コンクリートの開発および金属系外装材を組み合わせた新たな有機機能を持つコンクリート外装パネルの開発、気中の炭酸ガスを同化させるコンクリートの炭酸ガス低減効果などについて検討した。また、既に検討した恒温機能(ヒートアイランド現象低減効果等)、植物共生機能(植栽基盤材料)などを持つコンクリートについて国際会議で発表した。 成果として、(1)磁力等により繊維の配向性高めた繊維を有機的に含有することで高靭性化した有機質モルタルについて、磁力を付与する条件と材料要因のと関係を明らかにした、(2)壁面緑化が可能となる植栽基盤コンクリートの開発および金属系外装材を組み合わせた新たな有機機能を持つコンクリート外装パネルに関し、それらのヒートアイランンド現象低減効果を明らかにするとともに外観がよくなる金属系外装材の特徴を明らかにした、(3)気中の炭酸ガスを同化させるコンクリートの炭酸ガス低減効果について、水セメント比を高強度から普通強度(W/C=0.3,0.5,0.65)に設定し製造したモルタル試験体に対し,20℃およひ60℃の2条件においてCO2濃度20年に相当する即進中性化を実施し、強度に及ぼす影響を明らかに環境負荷低減に効果のあるコンクリートについて知見を得た。
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