研究課題/領域番号 |
17360276
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
曽田 五月也 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (70134351)
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研究分担者 |
村上 雅也 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (40009246)
久田 嘉章 工学院大学, 工学部, 教授 (70218709)
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キーワード | 圧効きオイルダンパー / 木造戸建住宅 / 制振補強 / 既存不適格建築物 / 減衰性能評価 / 限界耐力計算 |
研究概要 |
研究目的:都市防災体制の向上のために既存不適格建築物の耐震補強を促進することを目的とした。具体的には、過去の大地震時に、特に大きな人的被害の要因となった既存不適格木造戸建住宅を対象として、低コストで建築物に粘性減衰性能を付加する事を可能とする構造システムを開発すること。 研究方法:1)ダンパの開発木造の特質は釘・ビスによる接合は引張に弱いこと、曲げに対しては脆性的に折れることであり、それらへの対応として圧縮力のみ発揮するリリーフ機楼付きの圧効きオイルダンパを開発・設計・製作・性能試験を繰り返し、最終的に商品化に至らしめた。さらに、リンク機構を併用したオイルダンパの開発とその滑り基礎構造への応用について検討した。2)部分加構のエネルギー吸収性能の実証実験ダンパを設置した木造住宅用部分壁パネルの慣性力加振実験により、十分な減衰性能(エネルギー吸収性能)が発揮されること、過大な応力による加構自体の損傷を招かないこと、ダンパ非設置の場合に比べて変形を大幅に低減できること等々を確認した。3)実大住宅における施工性ならびに制振効果の実証実験大型振動台上に実大住宅を載せた実地震動加振実験によっても上記のとおりの効果を確認することができた。また、ダンパの取付作業が容易であることを確認した。 4)構造法の解析的な裏付けと耐震計算法の確立 上記実験による制振補強効果は地震応答解析によっても正確に模擬できることを確認し、最終的には限界耐力計算を応用して耐震計算法としても整理できた。 5)実測による実建物の減衰性能評価 RD法を拡張して、複数の振動モードの減衰定数を正確に予想する手法を新たに開発した。ダンパを設置することで、住宅の1次減衰定数を5-10%上げられることを明らかにした。 成果:表記目的を概ね達成し、上記の論文・発表として公表した。
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