平成17年度から平成18年度に至る2カ年で建築空間内の空調負荷、照度・輝度の形成要因分析周辺環境と人体の快適性の要因分析、制御のための条件整理・制御仕様の設定を行う計画としている。平成17年度では計画時に設定した各項目に対し、下記を実施した。 1.建築空間内の空調負荷、照度・輝度の形成要因分析 オフィスを対象として、年間に渡る、窓からの日射負荷・貫流熱負荷などの負荷要因別解析を実施。同時に自然光による照度解析を実施。今年度では、日射の導入が、昼光利用による照明エネルギーの削減に寄与する反面、空調負荷増加による空調エネルギーの増加に着目し、エネルギー消費量をベースとした日射の利得・損失を検討した。 2.分布を考慮した予測手法の構築/CFD、実験・実測などによる空間分布を考慮した解析 実際のオフィスを対象として、夏期冷房時、冬期暖房時のCFD(コンピューターによる乱流数値シミュレーション)、実測を実施。今年度、空間分布の発生を前提として、制御対象を分割した場合のメリットを検討するため、夏期冷房時・冬期暖房時の空調の吹き出し気流の勢力範囲、制御対象範囲の大きさ、投入エネルギー量を解析した。 3.各要因の人体の快適性に対する影響分析/周辺環境と人体の快適性の要因分析 移動計測装置により、人体の移動に伴い、皮膚温に加え脳血流量などの被験者の生理状態を計測しながら、被験者の周辺環境、温冷感申告を同時に計測した。今年度は、冬期の寒い屋外空間から屋内に移動した場合の計測を実施し、温冷感申告値と周辺環境、生理量の対応を解析した。 4.様々な形態・用途・負荷等の建築空間に適用できるロジックの構築 上記2の実測に際し、制御対象の大きさ、制御の応答性などを検討。 研究初年度のため、現時点で対外的発表などの研究成果はないが、平成17年度の成果は日本建築学会、空気調和・衛生工学会などの学術講演会に投稿予定。
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