研究課題/領域番号 |
17360289
|
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
近本 智行 立命館大学, 理工学部, 助教授 (60388113)
|
研究分担者 |
吉田 治典 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (00144337)
|
キーワード | 空調エネルギー / 照明エネルギー / 省エネルギー / 空調制御 / 照明制御 / 快適性 / 温冷感申告 |
研究概要 |
平成17年度から平成18年度に至る2カ年で建築空間内の空調負荷、照度・輝度の形成要因分析周辺環境と人体の快適性の要因分析、制御のための条件整理・制御仕様の設定を行う計画としていた。平成18年度では下記を実施した。 1.建築空間内の空調負荷、照度・輝度の形成要因分析 昨年に続き、オフィスを対象として、年間に渡る、窓からの日射負荷・貫流熱負荷などの負荷要因別解析を実施。また住宅における吹き抜け空間の日射導入・自然換気時のCFD(コンピューターによる乱流数値シミュレーション)を実施。日射の導入が、昼光利用による照明エネルギーの削減に寄与する反面、空調負荷増加による空調エネルギーの増加に着目し、エネルギー消費量をベースとした日射の利得損失を検討した。 2.分布を考慮した予測手法の構築/CFD、実験・実測などによる空間分布を考慮した解析 実際のオフィスを対象としたCFD解析を実施。今年度、帰社直後の代謝量の高いワーカーを想定し、周辺と異なる環境制御要求に対応したシステムとしてビルマルを用いたパーソナル空調方式を提案し、環境制御性能・省エネ性能を検討した。また、間仕切りのないオフィス空間で休日出勤などに局所運転する場合の、省エネ性能を検討した。 3.各要因の人体の快適性に対する影響分析/周辺環境と人体の快適性の要因分析 移動計測装置により、人体の移動に伴い、皮膚温に加え脳血流量などの被験者の生理状態を計測しながら、被験者の周辺環境、温冷感申告を同時に計測した。今年度は、冬期に加え夏期の屋外空間から屋内に移動した場合の計測を実施し、温冷感申告値と周辺環境、生理量の対応を解析した。また実空間への応用例として、ホール空間を対象とした夏期実測を実施し、移動経路・滞在時間が室内の目的空間に到着した後の快適性に及ぼす影響を解析した。 4.様々な形態・用途・負荷等の建築空間に適用できるロジックの構築 一般的なオフィスモデルを作成し、一般的に用いられている天井吹出方式、床吹出方式、ビルマル方式の空調システム毎に、吹出温度制御などの空調制御ロジックを組み込んだCFD解析を実施し、空調方式・センサー位置の違いによる室内熱・空気環境を解析し、快適性・省エネ性両立のための制御ポイント設定に向けての検討を行った。 平成18年度の成果は日本建築学会、空気調和・衛生工学会などの学術講演会、ROOMVENT2007などの国際シンポジウムに投稿予定。
|