建築空間内の空調負荷、照度・輝度の形成要因分析と人体の快適性の要因分析を行い、周辺環境制御に必要なパラメータの選択、負荷予測モデルの構築を図った。 1. 建築空間内の空調負荷、照度・輝度の形成要因分析 住宅における吹き抜け空間の日射導入・自然換気・ハイブリッド換気時のCFDを実施。通風ルートの設定により、外気温度が高い場合でも換気を図った方が省エネと快適性向上につながることや、日射熱を利用した二重壁内の自然対流による負荷削減効果、自然換気や日射の利得・損失を検討した。またCFD、実大住宅実験、風洞実験により、壁面の遮熱性能向上、水打ちによる潜熱除去効果など外皮負荷の削減方法を検討した。 2. 分布を考慮した予測手法の構築/CFD、実験・実測などによる空間分布を考慮した解析 ビルマルを用いたパーソナル空調方式を提案し、CFDにより環境制御性能・省エネ性能を検討した。また、オフィス空間で休日出勤などに局所運転する場合の、省エネ制御運転の性能を評価した。 3. 各要因の人体の快適性に対する影響分析/周辺環境と人体の快適性の要因分析 人体の移動に伴う皮膚温・脳血流量などの被験者の生理状態を計測しながら、被験者の周辺環境、温冷感申告を計測した。外部環境の変化に応じた快適性と生理量を基に、屋外から室内への経路空間の最適化の他、局所温冷感、コールド/ヒートショックの影響を検討した。研究成果は実際に施設(兵庫県立芸術文化センター)の設計・運用に応用し第22回 空気調和・衛生工学会賞振興賞技術振興賞を受賞した 4. 様々な形態・用途・負荷等の建築空間に適用できるロジックの構築 天井吹出、床吹出、ビルマルの空調システム毎に、吹出温度制御などの空調制御ロジックを組み込んだCFDを実施し、快適性・省エネ性両立のための制御ポイント設定を検討した。また床吹出し空調をベースとしたパーソナル空調導入による省エネ評価を実施した。
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