研究課題
1.王城・首里城の成立と展開・「琉球記」と「琉球図」と「琉球詩」からなる使琉球録の史料的特性についてすでに実施した作業の成果を活かし、新たな視点から提示した中世首里城の変遷についての新見解をさらに実証する。・初年度に引き続き、中世における首里城の構成と機能、配置、コスモロジー、外苑などについて、実証的かつ基礎的な研究を行い、それらのもつ意味・意義を明らかにする作業を行った。2.王都・首里の形成と展開遷都当初の首里の都市形態、空間構造を探り、また都市軸の移動などの都市的変遷、さらに社会=空間構造とその特質について、事実経過、歴史的背景を検討した。あわせて琉球の風水思想が古琉球の時代にさかのぼること、さらに首里の空間構造について「双対性」というべき興味深い事実を実証する作業をさらに進めた。3.中世後期東アジアの「京都」東シナ海によって中国と隔てられた琉球と日本の「京都」の特質を把握するために、東アジアの「京都」との比較史的考察を行った。研究水準の向上と最新情報の入手をはかるべく、日・中・韓・台湾の研究者を中心に国際シンポジウム「東アジアの「京都」-権力とプライバティゼーションのあいだ」を開催し、多大な成果を得た。初年度に引き続き、空間的な視点から首里と京都を具体的に明らかにする作業も継続した。4.国際港市・那覇の形成と展開琉球王国・琉球人による港湾都市の開発、渡来中国人による居住地の開発、日本人などによる居住地の開発、都市形成主体による独自の地域形成・展開過程、そしてそれらが個別性を維持しながら那覇として一体化する過程を検討した。とくに渡来中国人が開発した久米村の形成と展開を、彼らの信仰対象の中心であった天妃宮について考察することによって具体的に明らかにする作業を進めた。5.研究支援データベースの構築参考文献・資料・史料・指図・絵画史料・地図の収集とデータ入力作業を行った。
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中世のなかの「京都」-中世都市研究12
ページ: 83-109
Proceedings of the International Conference on East Asian Architectural Culture, Kyoto 2006. Discussions Panels.
ページ: 71-79