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2006 年度 実績報告書

擬ギャップ系ホイスラー化合物の電力物性と熱電変換材料への応用

研究課題

研究課題/領域番号 17360311
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

西野 洋一  名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (50198488)

研究分担者 曽田 一雄  名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70154705)
井手 直樹  名古屋工業大学, 工学研究科, 助手 (60262945)
キーワードホイスラー化合物 / 擬ギャップ / 熱電材料 / ゼーベック係数 / 電気伝導 / 熱伝導 / サイト選択 / 電子濃度効果
研究概要

擬ギャップ系においてフェルミ準位を巧みに制御して優れた熱電特性が発現することを明らかにするために,Fe_2VAlにおける置換元素のサイト選択性を考慮して第四元素で部分置換した擬二元合金について,ゼーベック係数と電気抵抗の温度依存性を系統的に測定した。さらに,熱伝導率の測定も行い,新しい熱電材料としての可能性を追究した結果,以下の知見を得た。
1.Fe_2VAl_<1-x>Ge_xについて,剛体バンドモデルを仮定してバンド計算から評価したゼーベック係数は実測値と定性的には一致するが定量的には一致しない。光電子分光測定により電子構造を評価した結果,x=0〜0.05では予測と比較的良く一致するが,x=0.10ではフェルミ準位近傍で大きく変化することによると考えられる。熱電特性の組成依存は電子構造変化で定性的に説明できる。
2.Fe_2VAl_<1-x>Ge_x及びFe_2VAl_<1-x>Si_xについて,格子熱伝導度の逆数1/κ_<ph>は原子質量因子(ΔM/M)^2に比例して変化しており,置換元素の種類によらずユニバーサルな関係があることが分かった。
3.Fe_2VAlにおけるサイト選択性を考慮して作製した擬二元合金(Fe_<1-x>Re_x)_2VAlについて熱電特性を系統的に調べた。Reで置換すると,ゼーベック係数の符号は正で最大で90μV/Kまで増大しており,Ti置換合金を上回った。さらにRe置換とMn置換を比較した結果,Reの方が重い元素のために熱伝導率も大幅に減少することが分かった。
4.総価電子数24(平均電子濃度e/a=6)のホイスラー化合物Fe_<2-x>Co_xTiAlについて,バンド計算およびゼーベック係数と電気抵抗率の測定によって,フェルミ準位にギャップまたは擬ギャップの形成を確認した。非化学量論組成の合金についてゼーベック係数の符号はx=1付近で正から負に変化するが,実験値は計算値を下回った。ゼーベック係数の増大のためには規則度の向上が課題である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (6件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] 擬ギャップ系Fe_2VAIの熱電特性に及ぼすRe置換の効果2007

    • 著者名/発表者名
      小林史典, 井手直樹, 西野洋一
    • 雑誌名

      日本金属学会誌 71・2

      ページ: 208-212

  • [雑誌論文] Soft X-Ray Photoemission Study of the Heusler-type Fe_2VAl_<1-z>Ge_zAlloys2007

    • 著者名/発表者名
      H.Miyazaki, K.Soda, M.Kato, S.Yagi, T.Takeuchi, Y.Nishino
    • 雑誌名

      J. Electron Spectrosc. Rel. Phenom. (印刷中)

  • [雑誌論文] Surface and Bulk Electronic Structures of Heusler-type Fe_2VAl2006

    • 著者名/発表者名
      H.Miyazaki, K.Soda, S.Yagi, M.Kato, T.Takeuchi, U.Mizutani, Y.Nishino
    • 雑誌名

      J. Vac. Sci. Technol. A 24

      ページ: 1464-1467

  • [雑誌論文] Thermal and Transport Properties of the Heusler-type Fe_2VAl_<1-x>Ge_x(O【less than or equal】x【less than or equal】0.20) Alloys2006

    • 著者名/発表者名
      Y.Nishino, S.Deguchi, U.Mizutani
    • 雑誌名

      Phys. Rev. B 74

      ページ: 115115, 1-6

  • [雑誌論文] Effect of Frequency on Amplitude-Dependent Internal Friction in Niobium2006

    • 著者名/発表者名
      N.Ide, T.Atsumi, Y.Nishino
    • 雑誌名

      Mater. Sci. Eng. A 442

      ページ: 156-159

  • [雑誌論文] Internal Friction Study of Microplasticity in Polycrystalline Gold Thin Films2006

    • 著者名/発表者名
      Y.Nishino, K.Ikai
    • 雑誌名

      Mater. Sci. Eng. A 442

      ページ: 347-351

  • [図書] 熱電変換システムの高効率化・高信頼性化技術2006

    • 著者名/発表者名
      西野洋一 他29名
    • 総ページ数
      356(115-126)
    • 出版者
      技術情報協会
  • [産業財産権] 熱電変換材料2006

    • 発明者名
      西野洋一, 井手直樹, 宮下亜紀
    • 権利者名
      名古屋工業大学
    • 産業財産権番号
      特許(PCT/JP2006/323903)
    • 出願年月日
      2006-11-30

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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