研究分担者 |
小嶋 崇夫 大阪府立大学, 産学官連携機構, 助手 (70360047)
岩瀬 彰宏 大阪府立大学, 工学研究科, 教授 (60343919)
秋田 知樹 産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 研究員 (80356344)
田中 真悟 産業技術総合研究所, ユビキタスエネルギー研究部門, 研究員 (50357448)
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研究概要 |
平成17年度は、超音波照射法によるAu-Pd微粒子のサイズなどを制御して作成し、その反応過程における生成微粒子について構造評価、物性評価を行い以下の様な結果を得た。 まず、コア・シェル構造生成過程の微粒子を2,4,6,8,10,12,15,20分(完全に反応終了)の反応時間で抽出し、粒径、構造、表面電位などについて調べた結果、金の周囲をパラジウムがほぼ均一に覆うコア・シェル構造が同定された。また反応時間に対して9分程度からパラジウムが金の周囲を覆うように成長し、その原子層が1〜5層程度まで成長する過程を捉えた。 更に、表面電位の溶液中での直接観察法としてζ電位にて評価を行ったところ、金単体微粒子の成長時はほぼ一定であった電位が、パラジウム吸着により変化し、その後パラジウム層の成長に対して一定である事などがわかった。 また、同様にして作成した微粒子の陽電子ビーム測定を予備実験として行った。この結果については、評価に様々なファクターを考慮する必要があるため現在解析中である。 一方、第一原理計算手法を用いてコア・シェル金属微粒子Au-Pd及びAu-Pt系の予備計算として、コア・シェル界面のモデル(Au/Pd,Au/Pt界面スラブのスーパーセル)を構築し、電子構造を調べた結果、両系とも界面では完全に分離した状態(face-to-face界面)よりも合金的な界面を作る方がエネルギー的に安定であった。今後はシェル側に表面を持つモデルを構築し、コア/シェルのサイズ比が界面電子状態に与える影響等を詳細に調べていく。 以上の成果のいくつかは、平成18年度中に国内外会議、雑誌論文等へ投稿準備中である。また、超音波照射とは異なる放射線照射による方法で同様の微粒子を制御創成するためにγ線、電子線、イオン照射等を行い、これらによる生成微粒子の評価も同様に行った結果、線種依存性が観察され、超音波同様生成粒子の制御性の可能性を評価し、アメリカ材料学会で発表した。
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